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アーロンチェアの正しい座り方

僕をご存知の方、こんにちは。
ご存知ない方、はじめまして。
流浪のデザイナー、Y2です。

 

デスクワーカーなら1度は必ず耳にしたことがある、疲れを知らない魔法の椅子。
その名はアーロンチェア。全人類の99%をカバーできるように人間工学に基づいて設計・開発された高機能オフィスチェアの代名詞的存在ですよね。今でこそ、ちょっとした会社には標準装備されるくらいの椅子になっていますが、僕がまだティーンエイジャーだった頃は、ファッション雑誌やデザイン系雑誌のインタビュー記事のグラビアで特集される方々がみんな座っていて「自分もいつかはアーロンチェア」と憧れたものです。

 

そんなアーロンチェアですが、もちろんアーキタイプも標準装備です。ですが、意外と正しい座り方をできていない人がチラホラ見られます。たまにしかオフィスに行かない僕は座ってビックリ。グニャグニャの状態で使っている人が多いんです。いかに高機能な椅子と言えど、間違った座り方をしていては効果が得られなかったり、逆に疲れてしまったりする可能性すらあります。そこで今回は「アーロンチェアの正しい座り方」について書いてみたいと思います。

 


 

正しい座り方①
高さ

 

まず気をつけたいのが「腰の位置」です。座面に深く腰をおろし必ず背もたれの下部(ポスチャーフィット)に腰をつけて座ってください。この時「座りにくい」と感じてしまうのは後述のリクライニング機能をグニャグニャに設定してしまっているからです。適度な硬さで設定されていれば、バッチリ腰をサポートしてくれるはずです。僕はもう何十年もずっとデスクワークしていますが、腰痛は皆無です。

 

腰をしっかり落ち着けたうえで、重要になってくるのは「踵」です。高すぎて踵が浮いてしまっていたり、逆に低すぎて太腿が浮いたりしていませんか?腰がポイスチャーフィットに、踵は地面に、どちらもピッタリ付いている状態が「正しい高さ」です。本当は足を組んだりするのもNGみたいですが、まーそこまでは今回は言いませんw

 

 

正しい座り方②
リクライニング

 

アーロンチェアを使ってる人に僕が一番声を大きくして言いたいのが、このリクライニングです。僕の少ない経験だけで話して申し訳ないんですが、ほとんどの人がグニャグニャで使っているように思います。グニャグニャのまま座ると、何か後ろに引っ張られるような錯覚になりますよね。この状態だと、正直そのへんの「ちょっといい椅子」と変わりませんよ?

 

アーロンチェアは仕事をするための椅子です。意外と勘違いしている人が多いんですが「座っているのが楽な椅子」ではありません。ましてリラックスするための椅子でもありません。個人的には文字どおり「背中を押してくれる」くらい硬い状態こそ、アーロンチェアらしいと思っています。

 

 

正しい座り方③
チルト

 

この機能は「フル装備」版のアーロンチェアにしかないのですが、基本姿勢から約5度ほど座面を前に傾けることができる機能です。5度くらい傾けたところで何が変わるのか。結構かわります。慣れてないと落ちます。でも作業に集中してくると、知らないうちに前のめりになっていませんか?

 

チルト機能がない椅子で前のめりになると、座面の前の方だけに座る感じになり腰が背もたれから離れ姿勢が悪い状態になってしまいます。その状態で長時間座り続けていることが、腰痛の原因になったりしている気がします。(前述のとおり僕は腰痛がないのでわかりませんw)

 


 

ここまでアーロンチェアの正しい座り方を偉そうに書いてきましたが、残念ながら、すでに腰痛をもっている方がアーロンチェアに変えるだけで腰痛が治るか?と言えば治りません。そこまで魔法は使えません。ですが、悪化を予防したり、軽減したりはしてくれるかも知れません。

 

道具は正しく使ってこそ、その真価を発揮するもの。機能が高度になればなるほど、その傾向は高くなってくると思います。アーロンチェアを使っているのに腰痛になった。酷くなった。と感じている方がもしいるなら、自分が正しく使えているかを再確認してみるのも問題解決の近道かも知れません。

 

ちなみにアーロンチェアに15年以上座ってきた僕が今使っている椅子は、同じハーマンミラー社の「エンボディチェア」という椅子です。(アーロンチェアちゃうんかい!w)

 

僕は自宅でのリモート勤務のため、アーロンチェアの無骨さが部屋の雰囲気に合わなかったのが選ばなかった理由です。また、アーロンチェアよりも設計が新しく、目的は同じなのに微妙に設計思想が異なる同じくらい高機能な椅子に興味もありました。フリーランス時代に清水の舞台から飛び降りるつもりで買いました。(実はカラーに黄緑があったのも要因のひとつです)あれから5年ほど経ちましたが、僕を支えてくれる頼もしい道具のひとつとして、今も一緒にデスクに向かっています。

 

アーロンチェアに限らず、道具というのは使い方によっては真逆の効果をもたらしてしまう可能性もあります。みなさんは正しい方法で道具を使えていますか?

 

ご精読ありがとうございました。