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Beyond the Wall.

僕をご存知の方、こんにちは。
ご存知ない方、はじめまして。
流浪のデザイナー、Y2です。

 

今回は(も?)ガラにもなく真面目な記事になります。途中々々で、読むに堪えない持論を偉そうにぶちかましてますが、おっさんの戯言とお聞き流しいただけると幸いです。

 

僕がデザイン(というか、自分がつくった何か)に対価をいただくようになって早20数年。人生の半分以上を「ものづくり」と共に過ごしてきたわけですが、どれだけ経験を積んでも、何度も乗り越えたと思えても、次から次へと現れる「デザインの壁」というようなものが、この世界には少なからず存在します。

 

ヒトコトに「デザインの壁」といっても、その内容は実に様々で、僕の場合はひとつとして同じ壁は存在しませんでしたが、それでも諦めずに壁を越え続けていると、なんとなく「こういう時はこうするといい」みたいな経験則から来るパターンのようなものが見えてきます。僕自身がまだまだ修行中の身であるため、ここで多くを語ることはできませんが、今回は、そんな「デザイナーなら誰もがぶつかるデザインの壁」との長年にわたる戦いの中で培った、僕なりの対処法とでも言いますか「乗り越え方」みたいなものを書いてみたいと思います。

 

1.考えるな、感じろ!

 

これは僕が座右の銘にしている言葉のひとつで、かのブルース・リーの映画「燃えよドラゴン」の劇中でのセリフです。この言葉の意味等は、みなさん各自でググっていただくとして、ここでいう「考えるな、感じろ!」の意味は「頭の中で考えるだけでなく、手を動かして、目で見て、はじめて試したと言える」という事です。特に歴が浅い人に限りますが、頭で考えただけで、手を動かさずに諦めてしまう人が多いような気がします。実際に手を動かしてみると、思ってもみなかった結果につながることもよくありますし、少なくとも何かしらのヒントがそこに隠されていることが多いです。「思いついたらやってみる」のが大切です。

 

2.完成を目指さない。

 

これだけ聞くと、ひどく中途半端なデザイナーのように思われそうですが、ここでいう意味は「最初から完成を目指さない」ということになります。ひとつのアイデアに固執しないようにする。とも言えますが、例えばひとつの案件に対して、僕は頼まれなくても必ず数パターン並行してデザインします。その全てを「完成」させようとすると、当然ですが時間が足りませんし、無駄になることも多いです。しかも、僕の場合はさらに「初案は捨てる」というドMな持論まで持っています。そこまでして無駄になるのがわかってる案をいくつも作るより、最初から1つに絞って集中した方が良いものができ、かつ完成もさせられるのでは?とお思いかも知れませんが、次の3つめの内容も関係して、意外とそうとも言い切れません。

 

3.手が止まったら別案。

 

2でも触れましたが、複数案を同時進行でデザインするにあたっての僕なりの方法論になります。「壁を越える方法」としては、もしかしたらこれが僕なりの答えということになるかも知れません。ひとつのデザインに対して、これ以上アイデアが出てこないという状態、つまり「壁にぶつかった!」と思うと、たとえそのデザインが完成していなくても、あっさり別案に移行します。別案でも行き詰まったら、さらに別案。それでもダメなら、また別案。無理にその場で壁を越えようとはしません。そうこうしていると、最初のアイデアの解決策、壁の越え方が急に思いつく事がよくあります。

 

4.「質」より「量」

 

逆ではありません、これで合ってます。

今まで書いてきたこと全てに当てはまるかも知れませんが、要は「」で勝負ですw

とはいえ質が高いことに越した事はありませんが、量を優先することで、質を見極める目も育てられると思っています。また、必ずしも「デザインの質が高い」ことが答えではない場合もありました。その案件に見合った「質」がどこにあるのか見極めるためには「量」を知らなければ辿り着けません。ただし、ただ単に「量」だけを求めても、そこに答えはないかも知れません。それぞれの「質」を見極めながら「量」をとる。そうすることで、質を保ちながら量もとれるようになれるのではないかと思っています。

 

5.広く浅く、ときどき深く。

 

偶然はデザインではない」とよく言われます。でも、こうも言います。「偶然は必然である」と。

 

僕はデザイン、クリエイティブとは「発見」だと考えています。自分や社会が過ごしてきた時間のなかに、アイデアの原石が眠っている。それを見つけ出し、掘り起こし、磨き上げ、時にはバラバラに砕いて世に出す。たとえ偶然みつかったように見えたとしても、それは自分が今まで行ってきたことの積み重ねの結果であり、そういう意味では必然であると言えると思います。

 

様々な情報が溢れている世の中で、本来なら長く経験を積まなければ知り得ない情報にも簡単に手が届くようになりました。それはそれで悪く言うつもりもありませんし、僕もその恩恵を多いにうけて生活しています。ただ、知識だけでは越えられない壁が存在するということを忘れないでください。

 

今回の内容も、万人には受け入れられない内容かも知れません。同じようにやってみても壁を越えられないかも知れない。でも、やってみなければわからない事はたくさんあると思います。頭の中で考えるだけではなく、手を動かして、目で見て、自分で試してみてください。

 

考えるな、感じろ!

 

ご精読ありがとうございました。