STUDY

野外音楽フェス主催から学んだ経営者の視点。

こんにちは!

アーキタイプのイベント番長こと、ディレクターの町田です。

コートがないと寒いくらいの気温に冬の訪れを感じます。
体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

普段からイベント番長として社内外でのイベント活動にいそしむ僕が、先日『野外音楽フェス主催』という少し変わった経験をしましたので、今回はその実体験をもとにお送りしたいと思います。

フェス主催というと「パリピの極み(笑)」のようなイメージを抱きがちですが、実際は事業運営をしていく上での経営者の視点や考え方など、普段のディレクター業務にも活かせる経験ができる貴重な機会でした。

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フェスの詳細やフェス主催のキッカケについては、よろしければ下記の記事からご覧ください!

GINZA|11月3日、文化の日。上野で野外フェス「SHAKE HANDS」が開催

Qeticインタビュー|上野公園開催のフェス<SHAKE HANDS>運営メンバーが語る、カオスな最新フェス・コミュニティの形

野外音楽フェス開催までの道のり

まずはフェス発足から開催当日までの行程を簡単なリストにまとめてみました。

0. フェス主催の構想:

フェスでやりたいこと、楽しいことをできるだけ多く思い描く

1. コンセプト策定:

なぜフェスをやるのか言語化する

2. 要件定義:

どこで、だれと、なにを、いつ、どうやって

3. 収支計画:

フェス運営にかかる収支を検討する

4. チームビルディング:

フェスの運営チームを組織し、運営する

5. コンテンツ企画・制作・運営:

“なにをどうやって”のディテールを詰める

6. プロモーション:

フェスをたくさんの人に知ってもらう

7. 販促・集客:

フェス認知→フェスに足を運んでもらうための施策検討

8. オペレーション:

フェス当日のオペレーション構築・リスクマネジメント

9. 当日:

フェスの運営

10. 事後処理:

開催報告・事務処理

あらためて並べてみると事業運営とどこか似ていますよね。
どの行程も一筋縄でいかないものばかりでしたが、なかでも苦労したのは「2.要件定義」、「4.チームビルディング」、「5.コンテンツ企画・制作・運営」、「8.オペレーション」の4つでした。体験談を元に心がけたことなどを以下にまとめたいと思います。

「2. 要件定義」

野外音楽フェスでいう所の要件定義とは「開催日程・会場・出演アーティスト・コンテンツ・運営体制など」を検討することだと思います。どれも一発で決まるものではありませんでした。試行錯誤のすえ、厳しい条件をクリアした候補の中からコンセプトからズレるものを省き、最終的に残ったものをさらに吟味して何とか1つに絞っていきました。

コンセプト自体はアイディアを突き詰めていく中で徐々にカタチになってくるのですが、それを実際に「いつ、どこで、だれと、なにを、どうやって」というようなディテールに落とし込んでいく作業にとても苦労しました。

「4. チームビルディング」

フェス運営は考えることも、やることも多く、非常にパワーを必要とするためチームメンバーは簡単に集まりませんでした。しかし、最終的にはPR・編集ライター・デザイナー・エンジニア・ディレクター・カメラマン…など、フェスを運営する上で必要となる有志が僕の呼びかけに対して集まりました。

職業もライフスタイルもバラバラなうえ、使える時間は休日や空いた時間のみ。

チームメンバーは通常の仕事も忙しい中、フェス企画に携わることは並のバイタリティではできなかったと思います。

僕はチームビルディングをしていく中で、できたてホヤホヤのチームがどうやったら円滑に機能するのか、またモチベーション高くフェスの運営に携わることができるのかを考えました。中でもメンバーが一番輝ける仕事を依頼することやフェス運営の夢を語り続けることを意識し、メンバーに主体的に活動してもらえるような雰囲気づくりを行いました。

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「5. コンテンツ企画・制作・運営」

コンテンツの企画はフェスの質を左右する大事な部分です。フェス運営の中でも花形かつ醍醐味でもありますが、もっとも体力を使う部分でした。

要件定義の話にも出てきましたが、面白いアイディアは浮かべど、物理的に可能か、コスト的には?、また人やモノが関わる場合には納期や日程が合うかなど、さまざまな検討項目をクリアした上で初めて実現するめどが立ちます。

そして実現のめどが立ったからといって、そこで満足していては本当に実現させることはできません。

「8. オペレーション」

フェス運営に伴うオペレーションとは、ボランティア人材の確保からはじまり、マニュアルの作成・周知、当日起こりうる問題を想定したリスクマネジメントなど本当に多岐に渡ります。大抵は開催間近の切迫した状況で行うため、急造のオペレーションになってしまう事が多く、その影響で見落としに気がつくのが遅れ、コンテンツ自体の軌道修正が発生してしまう場合すらあります。

今回のフェスでもリスクマネジメントが甘く、最終的な収支に大きな影響が出るなど反省点が多くありました。他のフェス運営も少しは見てきたつもりでしたが、うまく活かせなかったことも反省しています。

フェス運営から学んだこと

今回のフェスは有志での運営ということもあり報酬がありません。そのため関わってくれるメンバーのリスクを少しでも減らし、自由に活動してもらえるように、できるかぎりの責任は僕が負うようにしました。その中で、事業の責任を担う経営者の視点や考え方など、普段のディレクター職にも役立てられそうな貴重な経験が得られたと思います。

一番大きかったのはフェス(事業)の計画から運営までを一貫して行い「全体を俯瞰して見る」という大きな視点を持てたことです。またメンバーひとりひとりのフェス運営に対するモチベーションを自然に上げるために「当事者の視点」も同時に持つことで、チーム全体のモチベーションを維持していけたことも、今後の業務に活かしていきたいと思っています。

何より弊社代表の齋藤はもちろん、多くの経営者が抱える経営に伴う責任や事業遂行にあたって成すべきことを考え、身をもって経験したことで、その難しさを少しだけですが垣間見ることができました。本当に貴重な経験でしたし、これからも普段の業務に活かしながら大切にしていきたいです。

いかがでしたでしょうか。今回の「フェス主催」という経験が、とても有意義なものだったということを少しでも感じていただけたのであれば本望です。

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長らくご清聴ありがとうございました。

ARCHETYP 町田