STUDY

クリエイティブにおける“急がば回れ”的なおはなし。

僕をご存知の方、こんにちは。
ご存知ない方、はじめまして。
流浪のデザイナー、Y2です。

 

日々納期に追われて作業をしていると、つい最短距離でゴールを目指したくなるものですよね。かく言う僕も例に漏れず「効率」という悪魔の誘惑に心を奪われ、スピード優先で作業してしまうことが多々あります。そうなると凡ミスを連発させたあげく、修正につぐ修正を喰らい、最終的になんとなく「置きにいったデザイン」になってしまいます。

 

その結果、お客様はもちろん自分自身でも消化不良で納得のいかない「想像の範囲内」の成果物となり、お互いにモヤモヤした気持ちだけを残すことにもなりかねません。しかもその「モヤモヤ」は、そのままにしておくと後々やっかいな問題を自分自身に起こす原因になるので、できれば多くは残さないようにしたいものです。(適量の「モヤモヤ」なら、次への起爆剤になる可能性はあります)

 

とは言え「お客様(納期)」が存在する以上、自分が納得できるまで作業に没頭するなんてことは、趣味の世界ならいざ知らず、プロとしてはあるまじき恥ずべき行為……

 

 

 

ということで今回は「クリエイティブにおける“急がば回れ”的なおはなし。」と題しまして、限られた時間のなかで、お客様はもちろん自分達も納得できる「想像を超えた」成果物を提案するには、どうすればよいかを考えてみたいと思います。

 

 

 

悩んでるヒマがあったら手を動かせ!

 

さて、みなさんは何かを作る時、その何かの明確な完成形が見えてから具体的な作業にかかりますか?
まー普通はそうですよね。でも、意外と見切り発車した時の方が良い結果を得られた。なんていう経験があったりしませんか?

 

それはきっと明確な完成形がないがゆえに、その都度「最適」と思える方法を常に考えながら作業しているからではないかと僕は思っています。ただし「明確な完成形」がないだけで、進みたい方向性やテイスト・ぼんやりしたイメージなんかは存在しますし、お客様からの要件にも入っていることが多いです。それに作業を進めていくなかでドンドン出来上がってもいきます。

 

人によっては「明確な完成形」がなければ作れないという場合もあると思います。そういう人を否定したいわけではありません。それはそれで素晴らしいことだと思います。

 

 

 

それでも悩んだら「めんどくさい方」を選べ! 

 

つぎに、作業を続けていると「こうした方が良くなりそう(でも時間かかりそう)」とか「こうしてみたらどうだろう(でも良くなるかどうかはわからない)」とか「こうして欲しいんだろうな(でも時間ないしな)」という考えが頭をよぎることがありますよね。そういう時、たいていの場合は頭で想像するだけで実際にやってみないことが多く、誰かに意見を聞いて終わりだったりしますが、絶対に自分でも手を動かしてやってみた方がいいです。期待していた結果が出なかったとしても、それは今後おなじような場面で迷った時の知見になります。なにより「やらなかった後悔よりも、やってみた後悔」の方が未来があります。

 

またWEB特有の問題で「こうしたいけど、やるとフォーマット化できないなー」とか「こうしたいけど、やると実装コストがふくらみそう」みたいな時も多いですよね。そういう時はもう、手間でも、時間がなくても複数案つくって直談判するしかないです。
「本当はこうしたいけど、実装や運用まで考えると、こうした方が効率が良さそうなのはわかってる。でも、デザイン的にはこっちの方が良いと思ってる。」
いや、すこしズルいかなーとは自分でも思いますが、そういう意思表示をすることで、流れ作業的に進みかけた事にストップをかけるというか、考える隙を与えるというか。自分にとっても他人の意見を受け入れる事で、考えてもいなかったアイデアが生まれる可能性もあります。それは「明確な完成形」通りにつくっていたら決して取る事ができなかった「想像を超える」100点以上の結果を得られる瞬間でもあると思います。

 

 

 

急がば回れ! 

 

いっけん遠回りのように思える、この「行き当たりばったり感」満載の作業スタンス。無駄に思える寄り道や回り道、時には行き止まりで引き返すはめになる時もありますが、最短距離を選んでいたら、たどり着けなかった景色を見つけられるかも知れません。

 

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

 

∋人∈|Y2.