INTERVIEW

Interview #01 [ Designer ] 山川洋平_デザインは無名であるべき

こんにちは。デザイナーのもとまつです。
今回はARCHETYPブログ初のインタビュー企画。
映像にCGにイラストに、Webにとどまらない幅広いスキルを持つ、お茶目なお兄さん。
チーフデザイナー山川洋平に語ってもらいます。

プロフィール

1977年神戸生まれ。神戸市立工業高等専門学校機械工学科中退。
在学中より、主にアートワーク提供を中心にフリーランス活動を行なうかたわら、VJとしても活動。6年間の地元でのフリーランス活動のあと、2003年上京。2011年東京の会社に籍をおきながら神戸にUターン。2014年フリーランスに戻り、個人でも活動を続けながら2016年ARCHETYPに入社(リモートワーク)。

この世界に興味を持ったきっかけ

1995〜6年にPower Macintosh(8500)(※)を手に入れたのがキッカケといえばキッカケ。
もともと手書きで友人のイベントのフライヤーやポスターを作ったりしていたのをMacで作りだしたら、評判がよくて定期的に頼まれるようになり、気がついたらなんちゃってデザイナーになっていた。
Mac購入と同時に3DCGも独学ではじめていたので、CGアニメーションをメインにして、イベントでVJもすることに。その関係で、モーショングラフィックスや実写映像編集も手がけるようになった。

※ 1995年から1997年までアップルが設計、製造、販売していたMacintoshシリーズ。

転機になった2つの大震災

阪神大震災を経験して「明日死んでも悔いが残らないように生きたい」と思うようになり、VJ時代に知り合った人達のすすめもあって東京へ進出することに。本格的にWebデザインをはじめたのは、実は東京に出てから。

当時はFlashが出始めたころで、それから約10年間、Flashと映像を用いた最先端のリッチコンテンツの制作を主にやっていた。それなりの評価もいただけるようにはなったけど、時代の流れでFlashが衰退するのと同じくして、自分もいったん一線を退いた。

その後も友人の会社にデザイナーとしてジョインさせてもらって、しぶとく東京にしがみついていたけど、娘が産まれたことや東日本大震災の影響もあって、地元神戸に帰ることを決意し、初めてリモートワークをやってみたり。前とは違う意味で「最先端」だったかも(笑)

ARCHETYPに入った経緯

社長の齋藤が元同僚というのが大きい。地元神戸でフリーランスとして活動していたんだけど、生来の営業下手が仇となってなかなか順風満帆とはいかなかった。その時に、冗談まじりで声をかけてもらったのが最初。
その後は、あれよあれよと言う間に入社が決まってた(笑)(流されやすいタイプなのかも?)
あくまで「個人活動の場」として、フリーランス時代の屋号も残してますけどね(笑)

デザイナーという職種

デザイナーという職種については偉そうに言える立場ではないのでアレですが、敬愛している亀倉雄策さんの有名な言葉で「デザインとはアノニマス(無名)である」っていうのがあるんだけど、その考え方がすごくピッタリきていて、もちろん足元にも及ばないんだけど、そうありたいとは思っています。
そういう意味では、仕事上で「アーティスト」にならないように心がけてるかな。
なので昨今の「クリエイター至上主義」みたいなのはあまり好きではないです(笑)。
アートって「未来」で評価されたりするけど、デザインって「今」評価されなければ、死後にいくら評価されても意味ないというか。過去のデザインに敬意は払うけど、それはもう「アート」に近いものになっちゃってるんだよね。

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担当している領域について、普段どんな仕事をしているか

ARCHETYPではWebデザインだけに限らず、映像、CG、イラスト、グラフィック(紙)と、今まで自分が磨いてきたスキルを全て発揮できる環境があるので、わりと楽しく毎日を過ごしてます(笑)。
割合でいうと、最近は映像の仕事が多く、次いでイラストやグラフィック。Webサイトのデザインはあんまりやってないかも(笑)。あとはちょっとしたパーツのデザインやPCデザインのSP(スマートフォン)化、ヘルプに駆り出されることも多いです。
昔から「縁の下の力持ち」に憧れてたので、少しは近づけたような気がして自画自賛してます(笑)

印象に残っている仕事

ARCHETYP入社以前の仕事

「コレ」と1つに絞るのは難しいかな。これまで携わった全ての仕事が何かしらの印象を残してます。
なかでも東京時代は映像を使ったFlash案件がやっぱり多かったから、その撮影やCGI(※1)、VFXの製作には、印象というか思い出がたくさんありますね(笑)

例えば、映画の撮影でしか使わないような大掛かりな撮影機材を使わせてもらえたり、3DCGを高速にレンダリングできるようにクラスターマシン(※2)を駆使したり。海外から来られたアプリ開発者と直接お会いできたりしたことも、とても思い出に残ってますね。もうすぐ死ぬのかな?俺(笑)

あとは、特に初期フリーランスの頃なんて頼まれることは何でもやってたから、それこそ友人のイベントのフライヤーやポスターから、街の飲食店のロゴやメニュー、店舗のファサード。果ては国際会議(※3)の会場で上映される短編アニメーション映画までやらせてもらえて、正直、印象に残らない仕事はなかったかなー。

※1. 「Computer Generated Imagery」3DCGを使ったアニメーションのこと。いわゆるCGI(ウェブサーバ上で動作するプログラムがウェブページを生成できるようにする仕組み)とは別物
※2. 複数のコンピューターを結合し、1台の強力なコンピューターとして使えるようにしたシステム
※3. 2003年3月 第3回世界水フォーラム

ARCHETYPでの仕事

Gochilla

いまのところ「ゴチラ」かな?(笑)
以前ブログとして記事にさせてもらったこともあるけど、自分のキャラクターが、まさかぬいぐるみになる日が来るとは思ってもいなかったので。

stuffed

ゴチラについての記事はコチラ

関連実績:株式会社ゴチケーションコーポレートサイト

それ以外だと、現在進行中の案件や今後くるであろう案件がとても楽しみなので、過去ではなく未来に期待できる状態なのが嬉しくて、印象的といえば印象的(笑)

また、友人のブランドやお店のグラフィック関連の仕事は、いまでもライフワークになってるくらい大切なモノなので、仕事に支障をきたさない程度で、今後も個人活動は続けていきたいと思っています。

ARCHETYPの魅力

ひとことで「ARCHETYPの魅力」といっても、それこそ十人十色だと思うので、あくまで僕個人が魅力を感じるというところでいうと。
決して大きくはないし、まだまだ発展途上の会社なので、粗を探せばいくらでも出てきます(笑)
でも、だからこそ、メンバーみんなが「魅力のある会社」を目指して日々の仕事に取り組んでいて、それはきっと「『できあがってる会社』にはない、とても素晴らしい魅力」なんじゃないかなと思います。

学生の皆さんへ一言

はっきり言って新卒(未経験)でくるのには向いていない会社です(笑)
前述の通りまだまだ発展途上の会社で、経営陣含めてメンバー全員が一所懸命に頑張っています。
自分から学ぶ姿勢が身についていないと、何も教えてもらえないのに怒られることもあると思います。

転職を考えている皆さんへ一言

さまざまな理由で一線を退いた経験豊富なクリエイターさん、もういちど一緒にやってみませんか?それぞれの事情に合わせた形で、最先端の仕事ができる貴重な会社です。

最後に

考えるな、感じろ!

ありがとうございました!