STUDY

The Non-Illustrator’s Illustration

僕をご存知の方、こんにちは。
ご存知ない方、はじめまして。

 

ARCHETYPでデザイナーをさせていただいております
山川(以後Y2)と申します。

 

便宜上デザイナーとは呼ばれておりますが、その実態は!?
グラフィックデザインはもちろん、手描きイラストから3DCG、
果ては映像編集にアニメーション制作まで幅広くこなす、
夢の「スーパーマルチクリエイター」!!!

 

…と言えば聞こえはいいですが、本当は
そのどれも極めることをせず(否、できず)、
ギリギリで業界を渡り歩いてきた流浪の便利屋(…だと思っています)。

 

ともかく、そんな経歴から、デザインに限らず
様々なモノを作らせていただく機会にだけは恵まれてきました。

 

そうして暦と経験だけをひたすら積み重ねた僕の執筆テーマは、
「非イラストレーターが仕事でイラストを描く時に気をつけたいこと」
同僚のデザイナー達にもよく聞かれるので、改めてまとめてみたいと思います。

 

と、その前に。

 

そもそも「非イラストレーターが仕事で描くイラスト」とは何かというと…
 

例えば、ウェブサービス等を運営する企業の
コーポレートサイトのデザインをする際
メインイメージをどんなビジュアルにするかで
悩むことが多いですよね。

 

そんな時、サービスの内容や特徴を
わかりやすくシンプルに
“デザインされたイラスト”があれば
役に立つことがよくあります。
(近年のデザイントレンドにもなっていますね)

 

俗に言う、アイコンやピクトグラム
と呼ばれるイラストの仲間です。
(「仲間」という言葉を使ったのは、
厳密な意味では少し違うから。)
今回はそのようなイラストについて、
話を進めていきたいと思います。

 

ということで、お待たせしました。
The Non-Illustrator’s Illustration
〜非イラストレーターが仕事でイラストを描く時に気をつけたいこと〜

いってみましょう!

 

・・・

 

Point 01.
 なぜ、イラストなのか

 

まずは、なぜイメージ写真ではなくイラストを使うことにしたのかを確認し、
イラストではなく写真等には置き換えられないかどうか検討します。
(場合によっては、クライアントへ提案することも。)
アイコンや挿絵程度であればそこまでしませんが、メインイメージとなってくると違ってきます。
必要性をしっかりと検討してから、実制作に入るようにしています。

 

Point 02.
 テイストの確認

 

いわゆる「イラストレーター」ではない僕にとって、もっとも重要なのがテイストの確認です。
ひとめで僕のイラストとわかるテイストは確立させていませんので、
どんな成果物が求められているのか、打診の段階で確認します。
※希望のテイストが自分に出せるのかの判断は意外に難しいです。

 

Point 03.
 イメージの共有

 

参考資料として、描く内容とテイストに近いイメージ画像を検索します。
希望に近いサンプルが見つかればそれを、なければ手書きラフに注釈を添えて
担当のデザイナーもしくはアートディレクターに共有します。

 

Point 04.
 描き始めたら細かく何度も確認

 

毎日、多い時は数時間ごとに進捗具合の確認をします。
テイストにズレはないかはもちろん、モチーフや内容にいたるまで精査してもらいます。
その理由は、簡単に思われがちな修正にこそ、致命傷になる可能性を秘めているから。
この確認を怠った結果、ゼロから描き直すはめになったことも何度かあります…。

 

Point 05.
 汎用性と個性のバランス

 

先ほどは「自分のテイストは持っていない」と書きましたが、
それでもどこかに“個”を入れたくなるのがクリエイターの性。
全体的には個性を極力おさえつつも、“色”や“線”、モチーフを簡略化するときの“引き方”など、
箇所箇所に小さな個性やユーモアを忍ばせていきます。

 

Point 06.
 柔軟な対応

 

プロのイラストレーターではなく、自分に依頼がきた意味を考えます。
(僕個人の例をあげると、「即時対応が可能」で「無理が効く」かなと。)
そしてせっかく各所に忍ばせた“個”であっても、担当デザイナーやアートディレクター、
ひいてはクライアントの意向に合わないのであれば、躊躇なく消していきます。

 

Point 07.
 初めて見るのに懐かしい

 

僕がイラストを描く時だけでなく、何かをつくるさいに、究極に求めていることのひとつです。
できあがったイラストやデザインを観てくれた人の心に、スッと、自然に、染み入るように。
でも、忍ばせたユーモアに気がついてもらえるように、受け入れていただけるように心がけています。
かつて、僕が描いたイラストを見て「まるで何年も前から、そこにあったような絵」
と表現してくれた友人がいましたが、その言葉を聞いた日の夜は、自室でひとり、小躍りしました。

 

・・・

 

以上、「非イラストレーターが仕事でイラストを描く時に気をつけたいこと」でした。
思いのほか、長文になってしまい自分でも驚きを隠せません。
(これの前に書いたボツ記事は3行で終わっていた)

 

もちろん、ここに書いたことが全てではありませんし、
明文化できない”何か”があることも否定しませんが、
今回はこの辺で。

 

ご精読ありがとうございました。

 

 

∋人∈|Y2.