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アカウント担当を任された時、読んでおくべき書籍3選

アカウント担当って?

クリエイティブをサービスとしている企業でも当然クライアントの持つ課題を顕在化させ、解決方法を見つけ、あるべき姿を描かせてあげなければいけません。
その役割を担うのがプランナーやコンサルタント、そしてアカウント担当です。
通常、プロデューサーが担当することが多いですが、ディレクターやデザイナー、また他のポジションの方が担当する場合もあるかと思います。

初めてクライアントのアカウント担当を任された時、まずどうしていいか分からない人も多いのではないでしょうか。
前任者や先輩と打ち合わせに同行しても打合せに入れないだけではなく、何を話しているのかすら分からない…。
基本はお客様の話を聞くこというのは当たり前ですが何を聞いたらいいのか?その後どしたらいいのか?どうやって案件化(プロジェクト化)すればいいのか?疑問に思ったりしませんか?
そんなアカウント初心者やアカウント上級者を目指す人たち向けにお薦めの書籍を3つご紹介したいと思います。

業務要件の理解と目指す方向

まずは担当クライアントの業務要件の理解が必要です。
 ・お客様(企業)が属する市場はどんな市場か?
 ・お客様の収益ポイントはどこか?
 ・今回任されるサービスはどのようなものか?
など基本的な情報の整理が必要です。
そして現状(As is)理解と目指すべき姿(To be)を描き、そのギャップの洗い出しを行います。
そうすることで目指すべき方向が見えてきます。
その時に役に立つ本がこちらです。

ビジネスフレームワーク図鑑

株式会社翔泳社
著書:株式会社アンド

この本の特徴は目次の第1章から第7章まで順を追って進めると課題抽出から解決にむけたアイディア出し、そして戦略立案まで出来てしまう建付けにあります。
しかも各章のステップごとに手法の説明が書かれているのでビジネス書のように読み進めることも出来ます。
そして各ステップ毎にPowerPointのテンプレートがダウンロードできるようになっています。
Amazonでは「なか見!検索」が出来ますので参考にされるといいです。
クリエイティブワークでは出てこないようなビジネスワークばかりですが非常にわかりやすく、また実践しやすく出来ています。
これから学びたいビギナー、煮詰まり気味でちょっと気付きが欲しいミドルレンジの方にお薦めです。

プランは的確に伝えること

業務要件の整理はちゃんと出来て、目指すべき姿も描けた…さて、次はそれをどう伝えるかが問題です。
プレゼン資料の作成が必要になります。
資料は文章がダラダラ長かったり分かりづらい書き方をすると正確に伝えるべきことが伝わらず、プロジェクトが進行する中で思いもよらぬ齟齬が発生するだけではなく、場合によってはプロジェクト自体がなくなってしまう可能性もあります。
「伝える」のではなく「伝わる」プレゼン資料の作成が求められます。

プレゼン資料のデザイン図鑑

ダイヤモンド社
著者:前田兼利

プレゼン資料のまとめ方には決まりはありませんが、分かりやすく見やすく伝わりやすくする方法はあります。
この本は『”見てまねする”だけで最強のプレゼン資料に!』と言い切る通り、資料のまとめ方からページ内の項目に対する意味合いやキーメッセージの文字数などの説明が書かれています。
とてもわかりやすく、ページ構成のヒントだけではなく伝わるプレゼン資料を作成するためのポイントが掴みやすく書かれています。
この「伝わる」ポイントに日頃のクリエイティビティーを加えることでプレゼン資料のクオリティーを今以上に上げることができるかもしれません。

日々の提案を強める

プロジェクトも構築段階が終わるとクライアントとの付き合い方も変わってきます。
次の開発フェーズを見据えた動きはもちろんのこと、日々の改善提案や新しい提案などし続けてゆく必要があります。
ここまで来ると付き合い方もコンサルティングに寄ったものになってくると思います。
これまでアカウント担当として付き合ってきたアドバンテージを活かして説得力のある提案を心がける必要があると思います。

ロジカル・プレゼンテーション

英治出版
著者:高田貴久

初版が2004年と古い本ではありますが、内容としては全然古くありません。
それは提案の技術(スキル)を起点として書かれているからだと感じています。
加えて内容は戦略コンサルティングの視線からまとめられているためとても論理的で分かりやすい内容です。
しかも論理思考であることが話しの核心なのですが、いわゆるビジネス書にあるロジカルシンキングという枠ではなく、ロジカル・プレゼンテーションという「伝わる」ことを目的として書かれています。
現状よりももっと上の提案、もう一歩踏み込んだプレゼンテーションを目指すにはとてもお薦めの本です。

クリエイティブワークを中心としいてワークしているとアカウント担当というのは少々避けたい役割かもしれません。
でも、諸先輩の教えだけではなく自習できる分かりやすい書籍があると、もしかするとチャレンジのハードルはそれなりに下がるのではないでしょうか。