STUDY

UXデザインのプロセスを活かす

はじめまして!6月よりARCHETYPにディレクターとしてジョインしました菊地です。情報設計とAdobeXDとお酒をこよなく愛する中年男子です。さて、今回始めてのブログ執筆となるのですが、勢い余って大仰なタイトルをつけてしまいました(汗)下手なことを書くと諸先輩方からツッコミが入りそうですが情報設計を愛すると言った手前、まぁ頑張って書いてみようかと思います。

さて、ここ数年「UX」という言葉は我々の業界に限らず、大分世の中で目にすることが多くなったように思います。これは自戒も込めて書くのですが、このワードが持つある種の便利さ、また誤解を恐れず言うならば語感が持つ「それっぽさ」みたいな所が多用される理由の一つかもしれません。その際に文脈や前提を深く考えずに使ってしまうような所もあるので、そのあたりは少し気をつける必要があります。この言葉が流行り始める前から真摯に「デザイン」に向き合って来た方々ほど「UX」という言葉を使用することに慎重な態度をとっているようにも感じます。
(そのあたりの繊細で微妙な状況をUX MILK編集長の三瓶さんが先日記事にしていました。)
何のために「UXデザイン」をするのか

ただし、「UX」という言葉で語ることが適切かどうかは一旦置いておくとして先人たちが積み重ねてきたUXのデザインプロセスを正しく踏むことは、我々の仕事はもちろん、あらゆる場面でも有益だと思っています。

現にその有益さを改めて感じるできごとが入社早々あったので(しかも仕事ではない所で)今回はそのことから考えてみたいと思います。

入社三日目にして二泊三日の社員研修

見出しの通りなのですが菊地は入社三日目にして研修旅行に参加することになりました。(社員研修の詳細は弊社のcatoが過去の記事で取り上げています。)

ARCHETRIP2019【 チームビルディング 】

社員研修では色々な試みがあったのですが、課題の一つとしてロゲイニングの模様をトラベラーズノートに各自記すというものがありました。
まだ仕事もしていない自分が参加させてもらったのだから、この課題に対して全力で臨むのが筋だろうと思い、自分自身が今まで何を考え仕事をしてきたかという自己紹介も兼ねてUXデザインのプロセスを考えながらこの課題に取り組もうと密かに決めました。

目的を設定する

UXデザインのプロセスを考える上で、よく引用される図にギャレット氏の下記の図があります。

UXの構築に必要なプロセスを戦略、要件、構造、骨格、表層と5段階のレイヤーで示したものです。
自覚的か無自覚か、どちらにしても良いデザインというのは上記のプロセスをしっかり踏んでいます。
レイヤーの最も下にあり土台になるのが戦略=目的の設定です。
ですので、私は目的を明確にする所から始めました。何しろ入社三日目の私です。必然的に目的は

  • アーキタイプを知る
  • 社員を知る
  • 自分をよく知ってもらう

上記が基本方針となります。

その上で最終的なゴールをノートを通して話題にしてもらう。成果物であるトラベラーズノートを通してコミュニケーションの起点にするとしました。
まぁ率直に言えば、ちょっと目立った上で褒めてもらいたかったんですね(笑)

誰に?

目的が決まったので次はターゲットの設定です。今回は簡単です。トラベラーズノートを見てくれるアーキタイプのメンバーが対象です。ただ、ターゲットのニーズに気を配ることも忘れてはいけません。総勢12名の参加者。みんなが同じ課題で取り組むので、正直一人一人のノートを丁寧に見てくれるとは思えません(中にはちゃんと見てくれる人もいると思いますが)。そのあたりは何らかの形で差別化を図る必要が出てくると思いました。

何を?

これも課題として要件が決まっているため明確です。コンテンツとしては「旅の模様」です。

どのように

さて、ここが肝になります。
目的、ターゲット、コンテンツが定まった所で、どのように情報を設計し表層へのデザインに落とし込むのか。
色々考えたあげく骨格としては目的にそって社員一人ひとりをよく知るために、研修中記憶に残ったエピソードを社員ごとに書き連ねるという形をとることに決めました。またトラベラーズノートという媒体を活かし基本見開き1ページに一人のことを書き、総勢自分以外の11人名を順に書いていくという体裁にしました。ここには、エピソードをどのように切り取るかで、もう一つの目的である自分をよく知ってもらうということも狙いとしてはありました。

さぁいよいよ表層のデザインへの落とし込みです。差別化を図るため、ちょっと目立たなくてはいけません(笑)

そこで選択したのが下記です。

代表齋藤(似てない…)
小林(ちょっと似てる…)

はい。私の画伯級の手書きイラストです。今回の目的、コンセプトを考えた際に、写真やキレイな絵より、前編モノトーンでの手書きのほうが適切だという判断です。(そもそもキレイな絵がかけないという別の要件が固まっていたのもあります)

結果は……

さて、上記UXデザインのプロセスを自分なりに考え、ノートへと落とし込み結果がどうだったかと言うと……

代表齋藤
「菊地のノートめっちゃおもしろいやん」

執行役員神谷
「ジワるわ〜」」

同期入社郡司
「菊地さんのイラスト思い出してニヤニヤしました」

菊地
「ニヤリ」

なんとか目的を達成できたようです。
想定外で嬉しかったのは今回研修旅行を企画してくれた株式会社ジューワーの藤本さんのはからいで、トラベラーズノートを企画・販売されている株式会社デザインフィルの社員さんからも「味のある絵」とコメントをいただけたことでした。

さて、足早ではありますが、今回社員研修の課題を通してUXデザインでプロセスをしっかり踏むことの有用性について考えてみました。これはあくまで個人的な見解ですが、UXデザインのプロセスは仕事に限らず、生活のあらゆる場面で有効だと思っています。今後もそのあたりを考えながら、そこで得た気づきなどをこのブログで紹介出来たらと思っています。

皆さま今後ともよろしくお願いいたします!

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