Case Studies

トヨタコネクティッド株式会社様
「アジャイル型組織として、ハイスキルクリエイター人材が内製化を支援」

トヨタの顧客接点として、ヒューマンコネクティッドサービスの提供と新たなモビリティの可能性を拡げるトヨタコネクティッド株式会社様。 同社が2022年4月に新たに立ち上げた「BRソフトウェアファースト推進室」のブランディングや事業企画、アジャイル開発現場をアーキタイプが支援させていただいています。 同室主査のH様とアーキタイプ執行役員/クリエイティブプロデューサーの唐沢浩介にインタビューを行いました。

Client
トヨタコネクティッド株式会社様
Date
URL
https://toyotaconnected.co.jp/

■トヨタコネクティッド株式会社

「もっとお客様のことが知りたい。本当のニーズが知りたい。お客様とのダイレクトな接点が欲しい」という創業者・豊田章男氏の想いのもと、2000年に創業。当時からインターネット(IT)と自動車事業が融合する時代を予見し、ITで人とクルマと社会をつなぎ、ジャストインタイムでお客様にサービスを届けるソリューションを開発・提供してきた。「限りなくカスタマーインへの挑戦」を企業理念に掲げ、より豊かで心ときめくモビリティ社会の創造を目指している。

トヨタのソフトウェアファーストを加速させるために、プロフェッショナルの力が必要に

BRソフトウェアファースト推進室とはどのような部署ですか?

トヨタコネクティッド株式会社
BRソフトウェアファースト推進室主査
H様

トヨタコネクティッド株式会社
BRソフトウェアファースト推進室主査
H様

H様:当社では、社内横断的な課題に取り組む手法として、組織を超えて専門性の高い人材を時限的に重点配置し、将来につながる業務改革と人材の有効活用を図る「BR(Business Reform)組織」を導入しています。BRソフトウェアファースト推進室はまさにBR組織の一つですが、立ち上げの背景にあるのが、2020年からトヨタ自動車が推進している「ソフトウェアファースト」という考え方です。
ソフトウェアの根幹を支えるテレマティクス領域に携わる当社としても、テレマティクスを常に進化させていくことが大きなミッションになるわけです。そう考えると、技術力そのものの強化だけではなく、開発スピードを加速させるために開発手法すらも再構築する必要があります。当社にはプロフェッショナルな技術者が集う技術本部がありますが、あえてソフトウェアファーストを推進する専門部隊を作ることで、今までとは異なる環境を創出する。そのような組織への大きなインパクトを期待して立ち上がった部署になります。

H様:当社では、社内横断的な課題に取り組む手法として、組織を超えて専門性の高い人材を時限的に重点配置し、将来につながる業務改革と人材の有効活用を図る「BR(Business Reform)組織」を導入しています。BRソフトウェアファースト推進室はまさにBR組織の一つですが、立ち上げの背景にあるのが、2020年からトヨタ自動車が推進している「ソフトウェアファースト」という考え方です。
ソフトウェアの根幹を支えるテレマティクス領域に携わる当社としても、テレマティクスを常に進化させていくことが大きなミッションになるわけです。そう考えると、技術力そのものの強化だけではなく、開発スピードを加速させるために開発手法すらも再構築する必要があります。当社にはプロフェッショナルな技術者が集う技術本部がありますが、あえてソフトウェアファーストを推進する専門部隊を作ることで、今までとは異なる環境を創出する。そのような組織への大きなインパクトを期待して立ち上がった部署になります。

アーキタイプは2022年4月からプロジェクトに参画させていただいておりますが、当時はどのような課題があったのでしょうか?

H様:同室は室長と主査2名の計3名でスタートした部署ですが、「トヨタのソフトウェアファーストを加速させる」という大きな目標を掲げているため、プロジェクトの質とスピードを上げるためには新たな仲間が必要でした。その時、我々には足りていないものを考えると、私は技術領域全般をカバーしているのですが、その見せ方や伝え方といったクリエイティブ領域に関しては、プロフェッショナルの力に頼るべきだと思ったのです。我々が考えたコンセプトを世の中の大きな視点で捉えるとどうなるのか?その上で、どのようにプロデュースすれば価値を高めていけるのか?そのようなニーズに応えてくれるパートナーとして、アーキタイプさんを紹介していただきました。

そのようなご要望を受けて、唐沢さんは最初にどんな業務を行なったのでしょうか?

唐沢:参画早々、「BRソフトウェアファースト推進室の資料のトーン&マナーを作って欲しい」というオーダーを頂きました。スピード感のある業務推進を期待されていたので、既存資料をかき集めて読み込み、部署のミッションや業務内容、あるべき姿を理解し、正味2日でアウトプットをご提案しました。
アプローチとしては、少数精鋭のプロフェッショナル集団であることや、先進性やスマートさなどからインスピレーションを受けてイメージを固めていきました。具体的には、他部署との差別化も考慮し、ロゴや使用カラーを使われがちなコーポレートカラーである赤ではなく黒を基調としたモノトーンを採用。「コネクティッド」を表現するためにシナプスのように脳内がコネクトしていくようなモチーフを背景に敷いたりもしました。そのようなイメージとしての“トーン&マナー”はもちろん、スピード感を体現するために「図形はスクウェアで統一」「色はツートーン」「使用アイコンやフォントの指定」など、機能面のトーン&マナーも提案させていただきました。総じて、社内外に「BRソフトウェアファースト推進室」の革新性が伝わる第一歩になれば良いなと思いました。

唐沢:参画早々、「BRソフトウェアファースト推進室の資料のトーン&マナーを作って欲しい」というオーダーを頂きました。スピード感のある業務推進を期待されていたので、既存資料をかき集めて読み込み、部署のミッションや業務内容、あるべき姿を理解し、正味2日でアウトプットをご提案しました。
アプローチとしては、少数精鋭のプロフェッショナル集団であることや、先進性やスマートさなどからインスピレーションを受けてイメージを固めていきました。具体的には、他部署との差別化も考慮し、ロゴや使用カラーを使われがちなコーポレートカラーである赤ではなく黒を基調としたモノトーンを採用。「コネクティッド」を表現するためにシナプスのように脳内がコネクトしていくようなモチーフを背景に敷いたりもしました。そのようなイメージとしての“トーン&マナー”はもちろん、スピード感を体現するために「図形はスクウェアで統一」「色はツートーン」「使用アイコンやフォントの指定」など、機能面のトーン&マナーも提案させていただきました。総じて、社内外に「BRソフトウェアファースト推進室」の革新性が伝わる第一歩になれば良いなと思いました。

株式会社アーキタイプ
執行役員/ビジネスプロデューサー
唐沢浩介

株式会社アーキタイプ
執行役員/ビジネスプロデューサー
唐沢浩介

 

H様:初めて資料を拝見した時に、真っ先に思い浮かんだのが「かっこいい!」の一言です。私は資料として見た目が揃えば良いかなと思っていたのですが、相手が資料から何を感じ取るのか、相手に何を伝えられるのかが大事だということを、身を持って体感しました。かつ、資料のディティールにこだわり過ぎず、できるだけシンプルな構成にすることで業務スピードを上げていくという、実用的な視点からの提案も非常にインパクトがありました。
そこから各種アジャイル開発支援ツールのコピー制作や技術的な資料を一般に伝えるためのトランスレーション、さらにブランディングだけはなく、経営会議の報告資料作成、達成要件到達へのゴール設定、売上計画/事業損益分析試算、法務関連業務など、クリエイティブから事業計画まで、実に多岐にわたる業務を一緒に進めていただいています。

少人数でも大量の高速アウトプットを可能にする「自走力」

業務内容が多岐にわたるとのことですが、どのような面でアーキタイプがお役に立てていますか?

H様:まず、1つ目は先ほど申し上げた資料のトーン&マナー作成や専門的な説明のトランスレーションのような「クリエイティブ力」に助けられています。例えば、私たちはアジャイル開発に役立つ各種SaaSをセキュリティ対策や導入サポート含めて支援するサービスを開発・提供しているのですが、それを唐沢さんにリードコピーも含めて、リネームしてもらったことで、より社内外に浸透しやすくなったと感じています。

2つ目は、アジャイル開発支援ツールの売上計画や事業のゴール設定の策定、損益分析の試算など、クリエイティブだけでなく「数字の視点」からもサポートしてもらえる点を非常に心強く思っています。

3つ目は「自走力」です。人は学習データが少ない段階だと、どうしても「次、何やればいいですか?」といちいち聞いたり、手を動かさずに「こうすれば良いと思います」というコメンテーター的な立ち位置にとどまってしまうケースが多いと思うんです。でも唐沢さんは「これを自分が実現するとしたら、欠けているものはなんだろう?」という自分事化の発想と想像が常に働いているので、行動と提案をセットとして動いていただいています。
情報共有する際もジャッジが必要な部分をふるいにかけて聞いていただけるので、とても助かっています。

 

唐沢:スピード感を大切にされている部署だからこそ、先に行動したり手を動かしてたたき台を作ってから「この内容でいかがですか?」とお聞きするほうが、プロジェクトを前進させられると思っています。
前日に必要と感じたら自らタスク化し、翌日には売上/損益分岐シミュレーションを提示するなど、話が前進するネタを先出しするようにしています。
もちろん、空振りぜずに先回りで発想・想像ができているのは、Hさんからきめ細かく情報共有していただいたり、毎日頻繁にコミュニケーションを取ってくださっているからこそです。
スピード重視とはいえ、必要ではないものを作っても意味はないので、芯を食わない提案になることは避けています。

 

H様:そうですね、我々も物理的な距離が離れている分、毎日かなり密にコミュニケーションを取っていますから。

 

唐沢:あのスピード感やリズム感は、壁打ちというか、もはや「餅つき」ですよね(笑)。この短期間で呼吸が合わせられることが、とてもありがたいことで、お互いの能力を引き出す作業につながっていると感じます。
50-60%ぐらいアウトプットができたらすぐ会話に入って、お互いに壁打ちをしながら業務を高速に進めています。

 

H様:私の大量のタスクが高速に動いている中で、一つのことに没頭していると全体が見えなくなりがちなので、全体の方向性や物事の優先順位を唐沢さんとのコミュニケーションの中で気付くことができるのと、新しい視点が常に入ってくるので、改めて内部と外部の視点の掛け算の大切さを実感しますね。

ハイブリッド人材が新設部署を加速させる

唐沢さんはクリティティブだけではなく、事業計画に関連するような数字の視点があるとHさんから伺いましたが、俗にいうT型人材、パイ型人材、ハイブリッド人材など、どのようにしたら複数の視点で見れるようになるのでしょうか。

唐沢:言語化するととてもシンプルですが、「経験」が全てだと思っています。
継続的な勉強、それを座学だけで終わらせずに実践で高速で試すことで、それがまた「経験」となって蓄積されるという循環を大事にしています。
粒度や期間はバラバラではありますが、デザイナー、プロジェクトマネージャー、プロデューサー、キャラクタープランナー、クリエイティブディレクター、コピーライター、アカウントエクゼクティブ、代表取締役CEO、社外取締役など、複数のロールを経験してきました。

アーキタイプでは経営企画を通じて数字視点での分析と経営計画をしたり、社外取締役では経営参画に加えてクリエイティブディレクターとして事業会社のクリエイティブ全体を管掌しているので、複数のロールの掛け算から生まれるシナジーやヒントを最大限に活かしています。

クリエイティブ視点だけだとどうしても定性的になってしまうので、定量的な判断材料を出せるようにすることで、事業責任者の方や経営者の方のお力になるために、日々数字と向き合っています。

未来への道筋に向かって、アップデートし続ける組織に

唐沢さんはクライアントと同じ目線で併走し、事業を加速させることを大切にしていると思いますが、今後アーキタイプとして目指す姿を教えてください。

唐沢:弊社は請負を主とする制作会社として16期続けてきたのですが、2022年8月の17期目から事業会社にクリエイティブパートナーとしてチーム単位で支援する、パートナー支援事業に事業ピボットしました。
請負契約で制作物をベンダーしてお手伝いするよりも、派遣契約や準委任契約で内製化としてサポートする方が、お客様とのコミュニケーションの粒度が高くなり、深い顧客理解とビジネスの成長に寄与できると判断したためです。
同じビジネス課題をもつパートナーになることで目標がブレず、課題への取り組み方が変わり、コミュニケーションも業務も効率化できます。
お客様のすべき内容も日々変わるので、ウォーターフォール的な参画からアジャイル的な参画にすることで、お客様がやりたいことが変わっても柔軟に対応することが可能です。

トヨタコネクティッド様でも、私の他にプロジェクトマネージャー、UIデザイナー、業務推進マネージャーが参画させていただいています。
後続のメンバーが参画した際は、早期に環境順応できるように、先に参画したメンバーがメンターとして業務推進に必要な情報とタスクを整理し、高速インプットとサポートをしています。

弊社は組織体としてもアジャイル型組織として柔軟に動けるよう再編しました。
ハイスキルかつ幅広いジャンルの知識を保有するT型なクリエイター人材を主軸に、チーム単位で事業会社様の内製化支援ができるよう、
より強化していきます。

最後に、これから両社で一緒にチャレンジしたいことを教えてください。

H様:未来への道筋は描けたと思うので、ここからはどれだけスピーディに走れるかが勝負だと思っています。誰かが歩いたことのある道ではないからこそ、チャレンジする領域ばかりなんですよね。一番やってはいけないのは、1回作ったきりで終わりにしてしまうこと。あらゆるものを常にアップデートし続けることが我々の使命なので、新しいことをどんどん取り入れて進化していき、結果的に今年描いた計画すら来年変わるようなことだってアリだと思っています。そのような先進的な取り組みを一緒に進めていきたいですし、我々の想像を超えるような新しい発想にも期待しています。

 

唐沢:まずは計画が絵に描いた餅で終わらないように、描いた設計図をしっかりと形にしていくことが1つの目標です。
その間にも世の中のテクノロジーや開発環境はハイスピードで変化していくと思うので、常にキャッチアップしながらアップデートし続けることを大切にしていきたいと思います。
さらに計画を具現化していくために、今後もチーム単位での内製化支援の力を活かして、ビジネス課題を同じ目線で解決していけるよう、
並走していければと考えています。

 

インタビュアー:松山 響
撮影:上岡 伸輔

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