ChatGPT ヘルスケア登場!健康情報はどう守られ、どう使えるか
ChatGPTに、健康情報を扱う専用機能「ChatGPT ヘルスケア」が追加されました。検査結果の読み取りや体調の疑問をAIに相談する人は増えていますが、健康情報には慎重な扱いが求められます。本記事では公式発表をもとに、その仕組みと役割、できることとできないことを整理し、分かりやすく解説します。
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ChatGPT ヘルスケアとは何か──通常のChatGPTとの違い

ChatGPT ヘルスケアは、健康やウェルネスに関する情報を扱うことを前提に設計された、ChatGPT内の専用機能です。通常のChatGPTと同じく対話形式で利用できますが、健康情報を安全に管理するための構造が、最初から組み込まれている点が大きな違いです。
従来のChatGPTでは、仕事の相談や学習、雑談など、さまざまな内容が同じチャット環境で扱われてきました。一方、ChatGPT ヘルスケアでは、健康に関する会話が専用のスペースに分けて管理されます。体調の変化や検査結果、生活習慣といった情報を前提にやり取りが行われますが、これらの情報は他のチャットとは切り離された状態で保持されます。
ここで強調しておくべき点は、ChatGPT ヘルスケアが医療行為を行うサービスではないということです。公式にも、診断や治療を目的としたものではなく、医療従事者によるケアを補完する存在であると明記されています。検査結果に記載された数値の意味を整理したり、受診時に医師へ確認したい内容を事前にまとめたりするなど、判断の前段階を支える役割を担います。
この機能が用意された背景には、健康情報が複数の場所に分散している現状があります。医療機関のポータル、紙の検査結果、ウェアラブル端末やアプリなど、情報が点在することで全体像を把握しづらくなってきました。ChatGPT ヘルスケアは、こうした断片的な情報を一つの流れとして整理するための場として設計されています。つまり、ChatGPT ヘルスケアは「健康相談ができるChatGPT」ではありません。健康という扱いの難しい情報に向き合うため、用途と範囲を明確に区切った専用の対話環境であり、その前提が次に述べる設計思想にもつながっています。
健康情報を扱うための設計──プライバシーとセキュリティの考え方

健康情報は、個人情報の中でも特に機微な情報にあたります。ChatGPT ヘルスケアでは、この前提を踏まえ、プライバシーとセキュリティを中核に据えた設計が採用されています。
ChatGPT ヘルスケアは、ChatGPT内に用意された独立したスペースとして提供されます。ヘルスケア内で行われた会話や、接続したアプリ、アップロードされたファイルは、通常のチャットとは分けて保存されます。健康に関する情報は専用のメモリ内でのみ保持され、他のチャット環境に共有されることはありません。過去の会話は一覧から確認できますが、データの管理範囲そのものは明確に区切られています。
セキュリティ面では、ChatGPT全体に適用されている暗号化に加え、ヘルスケア向けの追加対策が施されています。暗号化とは、保存中や通信中のデータを第三者が読み取れない形に変換する技術であり、ChatGPT ヘルスケアではこうした保護が多層的に組み合わされています。
さらに重要な点として、ChatGPT ヘルスケア内での会話は基盤モデルの学習には使用されません。利用者が入力した健康情報が、将来のモデル改善のために再利用されることはなく、保存された情報は設定画面から確認や削除が可能です。情報管理の主導権が利用者自身にあることが、明確に示されています。加えて、多要素認証(MFA)を有効にすることで、アカウントへの不正アクセスを防ぐ対策も用意されています。こうした仕組みは、次に触れる外部データ連携を安心して行うための土台とも言えるでしょう。
外部データとつながることで何が可能になるのか

ChatGPT ヘルスケアでは、利用者自身の健康データを接続することで、より状況に即した対話が可能になります。ここで扱われるのは一般的な健康情報ではなく、利用者が許可した範囲内の個別データです。データ連携は自動で行われるものではなく、利用者が明示的に許可した場合にのみ有効になります。
連携対象には、電子健康記録(EHR)やウェルネスアプリが含まれます。EHRとは、医療機関が管理する診療内容や検査結果などの記録を指します。これらを接続することで、検査結果の要点を整理したり、数値の変化を時系列で確認したりといった支援が可能になります。ただし、ここで行われるのは診断や治療ではなく、あくまで情報を理解するための整理です。
ウェルネスアプリとの連携も用意されています。Apple ヘルスケアやMyFitnessPalなどのアプリに蓄積された運動量や食事の記録をもとに、生活習慣の傾向を振り返ることができます。受診前に状況を整理したり、過去のデータをまとめて確認したりといった使い方が想定されています。写真やファイルのアップロード、検索、音声入力など、ChatGPTの既存機能もヘルスケア内で利用できます。
データへのアクセスは常に利用者の管理下にあります。接続時には共有されるデータの種類が事前に示され、不要になればいつでも解除できます。解除後は、その時点でChatGPT ヘルスケアが該当データにアクセスすることはありません。
なお、電子健康記録との連携や一部のアプリ機能は、現時点では米国の利用者に限定されています。Apple ヘルスケアとの接続にはiOS環境が必要で、利用条件には制限があります。それでも、複数の場所に分散していた健康情報を一つの文脈として整理できる点は、ChatGPT ヘルスケアの重要な役割と言えるでしょう。
まとめ

いかがだったでしょうか?
ChatGPT ヘルスケアは、健康情報を安全に扱うために専用設計された対話環境です。診断や治療を行うものではありませんが、情報を整理し理解するための支援として活用できます。プライバシーやデータ管理の仕組みが明確に示されている点も特徴です。役割を正しく理解した上で、健康と向き合う際の補助的な選択肢として活用することが重要と言えるでしょう。
参考資料:ChatGPT ヘルスケアが登場