Codexアプリが示す複数AIを管理して仕事を完了させる発想とは
AIは身近になりましたが、実務でどこまで任せられるのかは分かりにくいままです。OpenAIが公開したmacOS向けCodexアプリは、その疑問に具体的な形を示します。本記事では、Codexアプリの設計思想と、従来のAIツールとの違いを分かりやすく整理します。
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「AIに指示する」から「AIを管理する」へ変わった理由
これまでのAIは、質問や指示を入力し、その結果を受け取る使い方が中心でした。コードを書くAIも同様で、作業の流れは人が細かく制御し、AIは部分的に手を動かす存在として使われてきました。
Codexアプリが前提としているのは、そこから一段進んだ関係です。
Codexでは、エージェントと呼ばれる単位が複数同時に動作します。エージェントは、与えられた目的に沿って作業を進める実行単位であり、単発の応答を返す存在ではありません。ユーザーは、作業の進め方を逐一指定するのではなく、進行状況を把握し、判断や修正を行う立場になります。
このような使い方が可能になった背景として、AIが長時間にわたるタスクを一連の流れとして処理できるようになった点が挙げられます。短い処理だけでなく、複数の工程を含む作業をまとめて進められるようになったことで、重要なのは「どう書かせるか」よりも「何を任せ、どこで確認するか」へと移っています。

一方で、従来のIDEやターミナル中心の環境は、複数のAIを並行して扱う前提では設計されていませんでした。Codexアプリは、AIを増やすことそのものではなく、人がそれらを把握し、管理できる状態を作ることに焦点を当てています。この考え方が、次に紹介する仕組みに反映されています。
作業の流れを壊さず、AIを同時に動かす仕組み

Codexアプリでは、複数のエージェントが動くことを前提に、作業の整理方法が設計されています。作業はプロジェクト単位で管理され、その中でエージェントごとにスレッドが分かれます。スレッドには、指示や変更の履歴がまとまり、どの作業がどの判断で進んだのかを後から確認できます。加えて、worktreeと呼ばれるGitの機能が標準で組み込まれています。worktreeは、同じリポジトリから複数の作業用コピーを作る仕組みです。エージェントごとに独立した作業環境が用意されるため、同じコードを同時に扱っても直接影響しません。複数の案を並行して進める場面でも、作業が衝突しにくくなります。
エージェントが進めた変更は、すぐに自分の環境へ反映する必要はありません。内容を確認してから取り込むことも、作業を続けさせたままにすることも可能です。これにより、自分の作業リズムを保ったままAIを並行して使えます。
また、CodexアプリはCLIやIDE拡張での設定や履歴を引き継ぐため、作業場所を切り替えても文脈が途切れません。ここまでの仕組みは、AIを同時に動かすためというより、人の作業を止めないための設計だと整理できます。
コードを書くAIから「仕事を完了させるAI」へ
Codexアプリでは、AIの役割がコード生成にとどまりません。Codexは、コードを手段として使い、作業全体を完了させることを目的に設計されています。その中心にあるのが、SkillsとAutomationsです。Skillsは、特定の作業に必要な指示やリソース、スクリプトをまとめた仕組みです。画像生成、ドキュメント作成、クラウドへのデプロイなど、用途ごとに作業の進め方を定義できます。これにより、Codexは単にコードを書くのではなく、適切なツールを使い分けながらタスクを進めます。作業手順をAIと共有する仕組みと考えると、理解しやすいでしょう。
Automationsは、こうした作業を指定したスケジュールで実行する機能です。人が操作していない時間帯でも、決まった作業を進められる点が特徴です。
さらに、Codexアプリはセキュリティ面にも配慮されており、操作範囲や権限を制御できる設計になっています。

ここまで見てきたように、Codexアプリは作業の一部を補助する存在ではなく、仕事を完了させるための仕組みとして位置づけられています。
まとめ

いかがだったでしょうか?
Codexアプリは、AIに細かな指示を出す使い方から、作業を任せて把握する使い方へと視点を移しています。
複数のAIを同時に動かしながらも、人の作業を止めない設計が特徴です。コード生成に限らず、作業全体を進める仕組みが用意されています。
AIとの関わり方を考えるうえで、Codexアプリは一つの具体的な参考例と言えるでしょう。