2026.05.08 | テクノロジー

グループチャットにAIが参加!Shapesが変える会話の新しい形とは

AIとの会話はこれまで、1対1で行うのが当たり前でした。質問すれば答えが返ってくる、そのシンプルな関係です。しかし今、その前提が少しずつ変わり始めています。人間同士のグループチャットにAIが参加する「Shapes」というアプリが登場しました。AIが会話の中にいる状態とは何か、その実態を整理します。

AIは“1対1”から“グループ参加”へ──Shapesが変えた前提

従来のAIとのコミュニケーションは、ChatGPTのように1対1で行う形式が主流でした。ユーザーが質問し、それに対してAIが答える。この構造は分かりやすい反面、人間同士のやり取りとは切り離されたものでもあります。
Shapesは、この前提を見直しています。人間同士が日常的に使うグループチャットの中にAIを参加させ、「一人のメンバー」として会話に加わる設計です。アプリ内では「Shapes」と呼ばれるAIキャラクターが、他のユーザーと同じように発言し、リアクションを返します。AIであることは明示されているものの、会話上の扱いはあくまで対等です。
さらに、ユーザー自身がAIキャラクターを作成できる点も特徴です。性格や振る舞いを設定し、グループに追加できる仕組みで、すでに300万体以上が作られています。多くは特定の作品やカルチャーをもとにしたもので、同じ興味を持つユーザー同士の交流の中で活用されています。

また、Shapesは2022年に設立され、月間アクティブユーザーは40万人以上に達しています。AIを個別に使うのではなく、複数人の会話に組み込む。この違いが、次に触れる「会話が続く仕組み」にもつながっています。

なぜ会話は止まるのか──AIが担う“会話を動かす役割”

グループチャットは便利な一方で、自然に会話が止まることがあります。参加者が多いほど、「誰かが発言するだろう」と考え、結果的に誰も話し出さない状態が生まれやすくなります。この構造が、チャットが続かない要因の一つです。
Shapesでは、この課題に対してAIが会話のきっかけを作ります。人間が発言しない場合でもAIが話題を提示し、会話が動き出す状態をつくります。また、ユーザーの発言にはAIが反応するため、「投稿しても何も返ってこない」という状況が起きにくくなっています。こうした設計は、発言への心理的なハードルを下げる要素にもなります。

さらに、ShapesのAIはユーザーの操作を待たず、自律的に発言することができます。一般的なAIのように呼び出す必要がなく、会話の流れに応じて関わる点が特徴です。これにより、AIは単なる応答ツールではなく、会話を維持する役割を担います。
加えて、複数人の中でAIが関わる構造も見逃せません。「AI psychosis(AI精神病)」は、AIとの長時間の対話によって思考が偏る状態を指しますが、グループ内であれば他者の視点が入り続けるため、閉じた関係になりにくいとされています。
なお、ChatGPTでも複数人でAIと会話することは可能ですが、用途は主に計画やアイデア整理です。一方でShapesは、コミュニティ内での会話そのものを目的として設計されています。
こうした違いを踏まえると、AIは「答える存在」から「会話を動かす存在」へと役割を広げていると捉えることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Shapesは、AIを個別に使うものから、複数人の会話の中で関わる存在へと位置づけ直しています。グループチャットにAIを組み込むことで、会話の始まりや継続に新しい役割を持たせています。日常のコミュニケーションの中でAIが自然に関わる形は、すでに現れ始めています。
AIとの距離感がどう変わっていくのかを考えるうえで、押さえておきたい動きです。