2026.06.07 | テクノロジー

接客AIと調査をつなぐNaviAI™、顧客理解を深める仕組み

AIが質問に答えるだけでなく、会話から本音や関心を読み取る場面が広がっています。ADK クリエイティブ・ワンとADK マーケティング・ソリューションズが提供を開始した「NaviAI」™は、接客と調査をひとつの対話でつなぐAIソリューションです。本記事では、その仕組みと活用の見どころを紹介します。

接客と調査をひとつにつなぐAIソリューション

NaviAI™は、ADK クリエイティブ・ワンとADK マーケティング・ソリューションズが提供を開始した、生成AIを活用したAIソリューションで、株式会社 Innovation BASE 北海道との協業により開発されました。
特徴は、顧客への「接客」と、本音を探る「調査」をひとつの対話で行えること。イベント会場やWebサイトで利用者が疑問を持ったとき、AIがコンシェルジュのように寄り添い、商品やサービスの魅力、使い方、理解しづらい点を会話の中で伝えます。単なるFAQ対応ではなく、文脈に合わせた利活用方法を提示することで、商材への納得感や信頼につなげる設計です。

開発の背景にあるのが、ADKが提唱する「ファングロース戦略」です。ファングロース戦略とは、商品やサービスを継続的に支持するファンを増やしていく考え方です。NaviAI™も、情報を届けて終わるのではなく、対話を通じて商品やサービスへの理解を深め、その体験をブランドへの愛着につなげることを目指しています
「NaviAI」という名称には、NAVIGATE(導く)+INSIGHT(洞察)+AIを組み合わせ、対話を通じてブランドのファンを導き、愛(Affinity)を育むという想いが込められています。NaviAI™の見どころは、接客や調査を効率化するだけでなく、ブランドへの愛着を育てる設計にあります。 次のセクションでは、なぜ接客と調査を分けないことが重要なのかを見ていきます。

NaviAI™が変える顧客との向き合い方

従来のデジタル接客やアンケート調査では、顧客に説明するためのボットと、データを回収するための調査票が分かれていました。そのため、顧客の関心や熱量を高めながら本音を引き出す、一気通貫の体験作りに課題があったとされています。
NaviAI™は、顧客が「知りたい」と感じているタイミングで対話し、その流れの中でさらに問いかけます。たとえば「便利そう」と答えた人に対して、どのような場面で便利だと感じたのかを聞くことで、選択式のアンケートでは見えにくい具体的な反応に近づけます。

フリーアンサー形式の質問において、NaviAI™は自然な対話形式で深掘りを行います。選択肢ではなく自分の言葉で答える形式のため、回答者は会話の流れに沿って感想や期待を伝えやすくなります。
回答者のデモグラ情報、つまり年齢や居住地などの基本情報や、それまでの質疑応答の内容を分析する点も特徴です。こうした情報と会話内容を組み合わせることで、回答者自身も意識していなかったインサイトや、関心の源泉に近づくことを目指しています。
注目したいのは、顧客との自然な会話を入口に、理解や関心を少しずつ深めていける点です。質問に答えるだけで終わらず、その後の対話まで設計することで、ブランドと顧客の関係づくりにつながります。
この仕組みは実際の現場でどう活用されたのでしょうか。次のセクションでは、花王株式会社のCES 2026での取り組みをご紹介します。

海外市場の反応を対話から見つける

NaviAI™は、2026年1月に米国ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2026」の花王株式会社ブースで先行導入されました。花王株式会社は、来場者一人ひとりに同社の取り組みを伝えながら、現地のリアルな期待値を把握することを重視していました。
花王株式会社のブースでは、NaviAI™が多言語による高度なQA対応に活用されました。展示内容に関心を持った人がその場で疑問を投げかけ、AIが会話の流れに合わせて回答することで、来場者は自分の関心に近い形で情報を受け取れます。
さらにNaviAI™は、来場者の反応から海外市場における潜在的な需要を掘り起こすインサイト調査としても使われました。調査の結果、米国在住者の「サービスの価値実感」が日本在住者の約10倍に達したと紹介されています。

花王株式会社の担当者コメントからは、CESという多様な言語や価値観が交差する場で、NaviAI™が多言語対応で同社の想いを伝えるだけでなく、AIとの会話を通じて、従来のアンケートでは見えにくかった海外ユーザーの驚きやニーズを把握する手段になったことがうかがえます。
事例から見えるのは、展示会での会話が説明だけでなく、市場理解の手がかりにもなるという点です。来場者がどこで驚き、何に期待し、どのような価値を感じたのかを知る機会にもなるため、花王株式会社の事例は、NaviAI™が多言語での接客対応と市場反応の把握を同じ対話の中で行えることを示しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
NaviAI™は、AIが質問に答えるだけでなく、会話を通じて顧客の関心や本音を探るソリューションです。接客と調査を分けずに行うことで、企業は商品やサービスを伝えながら、相手が何に価値を感じたのかを知る手がかりを得られます。
花王株式会社のCES 2026事例からも、対話の中に市場の反応を見つける使い方が示されました。顧客に伝えることと、顧客を知ることをひとつの体験にする点が、NaviAI™の注目したいポイントです。