2026.06.25 | テクノロジー

Codexで仕事はどう変わる?今後問われる新職種「FDE」の役割

OpenAIのColin Jarvis氏は、FDEの仕事の約7割が消えたと語りました。きっかけはAIエージェントサービス「Codex」の性能向上です。新たな職種として注目されるFDEは、どのような仕事を担うのでしょうか。

FDEとはどんな職種か

FDEは「Forward Deployed Engineering」の略で、OpenAIをはじめとするAI開発企業の間で注目される新たな職種です。多くの場合、顧客と現場で連携しながら、AIシステムの設計から開発、運用までを一気通貫で担うとされています。
Jarvis氏は、OpenAIが6月16日に開催した開発者コミュニティー向けイベントに登壇しました。参加者からの質問に答える形で、FDEの実態や今後の展望を語っています。同氏によると、OpenAIのFDEは「顧客と協力して最も困難な課題の解決に取り組む」役割です。
主な手法は2つあります。既存のAIモデルで対応できる場合は、より効率的に課題を解決できる製品やプラットフォームを構築します。

一方、既存のAIモデルで対応できない場合は、研究チームと協力してAIモデルを改良します。Jarvis氏の説明では、既存モデルで対応できる場合と、対応できない場合に分けて、FDEの手法が示されています。
FDEの特徴は、AIを使うことそのものではなく、顧客の課題に合わせて解決の形をつくる点にあると読み取れます。この役割の中で、2月に大きな変化をもたらしたのがCodexの性能向上でした。

Codexで変わるFDEの役割

FDEの仕事の約7割が消えたきっかけは、OpenAIのAIエージェントサービス「Codex」の性能向上でした。
従来、FDEはAIシステムの各ワークフロー、つまり作業の手順や流れを作成し、性能を評価して組み合わせる形で開発を進めていました。しかし、Codexの性能が高まったことで、開発の進め方は変わりました。現在はCodexを中核に据え、AIエージェントにタスクをこなす手順や必要な知識を教える「スキル」を構築する形になっています。Jarvis氏は、多くのことをCodexに任せ、例外的な場合にのみ、処理を助ける土台となる「足場」を構築していると説明しています。

この変化を受け、FDEの役割がどうなるのかを問う声もありましたが、同氏はAIで解決できる課題はまだ膨大にあるとしたうえで、役割が半年ごとに完全に変わることを覚悟しておく必要があると答えています。
Jarvis氏が携わる半導体分野の業務では、当初はコードベースのシミュレーションが中心でしたが、Codexによって物理的な設計などにも対応できるようになったといいます。OpenAIではFDEチーム向けのブートキャンプ(短期集中の学習プログラム)も実施しており、その内容は6週間ごとに更新されています。
Jarvis氏は、2年後には物理工学に近いエンジニアリングのスキルセットになっているかもしれないとも述べています。さらに、問題を解決するためのツールではなく「問題そのもの」に焦点を当て、AIモデルでは対応できない領域を見つけて埋めていく方向へ、FDEの役割が移るという見方を示しています。
AIに任せる範囲が広がるほど、人が向き合うべき問いも変わっていくことが見えてきます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
FDEの仕事の約7割が消えたという話は、職種そのものがなくなるという意味ではありません。Codexの性能向上によって、FDEが担う作業の進め方が変わったという内容です。
Jarvis氏は、AIモデルでは対応できない領域を見つけ、それを埋めていく方向へFDEの役割が移ると見ています。
Jarvis氏の発言は、AIに任せる範囲が広がるなかで、FDEのような役割も現場に合わせて形を変えていくことを示唆しています。