2026.06.26 | テクノロジー

Claude TagとはSlackで動くAIエージェント機能を解説

Anthropicは、Slackのチャンネル内で動作するAIエージェント「Claude Tag」を発表しました。@Claudeを呼び出すだけで、会話の流れを踏まえて作業を進めたり、必要に応じてフォローしたりできる機能です。

Slackのチャンネルに参加し、会話の流れを理解して作業するClaude Tag

Claude Tagは、Slackのチャンネル内でClaudeを呼び出し、チームの会話に参加させられる新しい仕組みです。Anthropicの発表によると、Slack上で@Claudeをタグ付けすると、Claudeが会話の流れを踏まえて質問に答えたり、依頼された作業を進めたりできます。
従来のAIチャットは、個人が別の画面でAIに質問し、その結果を必要に応じてチームに共有する使い方が中心でした。Claude Tagでは、Slackチャンネルの中でClaudeがやりとりに加わるため、依頼内容や回答、作業の進み具合をチャンネル内のメンバー全員が確認できます。誰かがClaudeに依頼した内容を、別のメンバーが途中から見ても理解しやすい点が特徴です。
使い方は、チャンネル内で@Claudeを入力して依頼する形が基本です。Claudeはスレッド内で返答し、必要に応じてタスクを複数の手順に分け、アクセス権を持つツールを使って処理を進めます。

ここでいうツールとは、Claudeが作業に使える外部サービスや社内のシステムなどを指します。たとえば、調査や整理、コードに関する作業などを、会話の流れに沿って進められるイメージです。
Claude Tagは、ただ呼び出されたときに答えるだけではありません。設定によっては、チャンネル内の状況を見ながら自発的にチェックインしたり、作業が完了したタイミングで投稿したり、止まっているスレッドに対してフォローアップしたりできます。Anthropicのプロダクトチームでは、社内版のClaude Tagによってコードの65%が作成されているとも説明されています。
また、Claude Tagはチャンネルでのタグ付けに加えて、Claudeとのダイレクトメッセージや、Slack画面右側に表示するAIアシスタントパネルからも利用できます。Slackを離れずにClaudeへ相談したり、チームの会話の中で作業を頼んだりできる点は、日常的な仕事の流れに組み込みやすい部分です。
Claude Tagは、Slackの中に単なる質問相手を置く機能ではなく、チームの会話を見ながら作業を支えるAIエージェントとして設計されています。AIエージェントとは、質問に答えるだけでなく、目的に向けて手順を考え、必要な処理を進めるAIのことです。便利に見える一方で、組織で使う以上は、誰が使えて、どこまで情報に触れられるのかも重要になります。

Team・Enterprise向けに管理機能を備え、チャンネルごとに安全に使える仕組み

Claude Tagは、TeamプランとEnterpriseプランの顧客向けにベータ版として提供されています。チームや組織で使うことを前提にしているため、単にSlackでClaudeを呼び出せるだけでなく、利用者、アクセスできる情報、費用を管理するための仕組みが用意されています。
セットアップは、Claudeアプリのインストール後にプライマリオーナーまたはオーナーが行います。管理者ロールでは、Claude Tagのアクセスやチャンネルを設定できません。導入時には、Claudeのアイデンティティを用意し、組織のツールやリポジトリを接続し、Claude Tagが動作できるチャンネルを選びます。リポジトリとは、コードや資料などをまとめて管理する保管場所のことです。
チャンネルで動くClaudeは、個人のClaudeアカウントではなく、

組織のアイデンティティで動作します。アイデンティティとは、Claudeがどの組織やチャンネルに属する存在として動くかを示すものです。チャンネルごとに別のClaude IDを割り当てられるため、たとえば開発チーム向けのClaudeと法務チーム向けのClaudeを分けて設定できます。それぞれは独立しており、チャンネル間で情報を共有しないと説明されています。
利用者の範囲も設定できます。Slackワークスペース内のすべてのユーザーに開放する方法、Claude組織のメンバーに開放する方法、許可されたロールのメンバーだけに制限する方法があり、ロールベースのアクセスはEnterpriseプランで利用できます。
費用面では、Claude Tagは使用量ベースで課金されます。チャンネルでClaudeをタグ付けした場合は組織に請求され、ダイレクトメッセージで使う場合は個人のClaudeアカウントに請求されます。組織全体の支出上限やチャンネルごとの上限を設定でき、使用額が75%と95%に達した時点で通知を受け取れます。上限を超える作業は、静かに省略されるのではなく拒否される仕組みです。
Claude Tagは、チャンネルごとやワークスペースごとにコンテキストを保持します。コンテキストとは、会話や作業の流れを理解するための情報です。管理者はClaude Tagのメモリを表示、編集、削除できます。また、監査ビューでは、スケジュールされたタスクや、外部ツールなどへのアクセス履歴も確認できるとされています。
データの扱いについても、Slackでの会話とClaudeウェブアプリの会話は別々に管理されます。Slackで始まった会話はClaudeのチャット履歴には表示されず、Claudeウェブアプリで始めた会話もSlackからはアクセスできません。統合を切断またはアプリをアンインストールした場合、会話は30日以内にClaudeから削除されると説明されています。
SlackのClaudeは、2026年8月3日に新しいClaude Tagエクスペリエンスへ切り替わる予定です。Claude Tagは既存の「Claude in Slack」アプリに代わるものとされており、Anthropicは今後、Slack以外も含めて提供範囲を広げていく方針を示しています。チームでAIを使う場面が増えるほど、機能そのものだけでなく、権限や費用、データの扱いをどう管理するかが大切になりそうです。

まとめ


いかがだったでしょうか?
Claude Tagの発表を見ると、AIがSlackの外にある便利なツールではなく、チームの会話の中で作業を支える存在になっていくことが分かります。
質問に答えるだけでなく、会話の文脈を理解し、必要に応じてフォローアップできる点は、日常的にSlackを使うチームにとって大きな変化になりそうです。
一方で、組織で使う機能だからこそ、権限設定や支出管理、データの扱いを確認しながら導入することが大切だと感じました。