2026.07.23 | テクノロジー

AI検索で見つけてもらうには?Adobe Brand Visibilityを解説

商品やサービスを探す場所は、検索エンジンだけでなく、ChatGPTなどのAIへ広がっています。企業にとっては、検索結果に表示されるかだけでなく、AIの回答で自社がどのように紹介されているかを知ることも新たな課題です。アドビは、状況の把握から改善までを支援する「Adobe Brand Visibility」の近日リリースを予定しています。

AI検索で「見つけてもらう」ために、Adobe Brand Visibilityが可視化するもの

商品やサービスについて調べる際、AIに質問し、その回答を参考に候補を比較する行動が広がっています。アドビの調査によると、2024年10月から2026年5月にかけて、米国の小売サイトへのAI経由のトラフィックは1,324%、旅行サイトでは2,215%増加しました。企業のWebサイトを訪れる前に、AIの回答を通じて商品やブランドを知る機会が増えていることが分かります。
「Adobe Brand Visibility」は、ChatGPT、Google AIモード、Microsoft Copilot、Perplexity AIなどで、自社ブランドがどのように表示されているかを把握するためのソリューションです。Adobe LLM Optimizerの機能とSemrushのAI検索データを組み合わせた、生成エンジン最適化(GEO)のための仕組みとして、Adobe CX Enterpriseの一部に位置づけられています。

GEOとは、生成AIが回答を作成する際に、自社の情報を見つけ、引用しやすい状態へ整える取り組みです。従来のSEOが検索結果で自社ページを見つけてもらうことを目指すのに対し、GEOではAIの回答に自社の情報が適切に反映されることを重視します。
分析には、実際の利用に基づく約3億件のAI検索プロンプトが活用されます。企業は、どの質問で自社が取り上げられているのか、反対にどの場面で競合他社が紹介されているのかを確認できるため、自社が強みを持つ領域と、情報が不足している領域を把握しやすくなります。
さらに、自社のWebサイトやサービスを通じて直接収集したファーストパーティデータを組み合わせることで、AI上での言及頻度やオーディエンスへのリーチ、競合他社とのシェアオブボイス(SOV)、不足しているコンテンツまで確認できます。SOVとは、特定の市場や話題の中で、自社がどの程度取り上げられているかを示す考え方です。
Adobe Brand Visibilityを使うことで、AI検索上の存在感を一つの数字だけで判断するのではなく、「どの質問で、誰と比較され、何が不足しているのか」まで捉えられます。そこで見つかった課題を、実際のコンテンツ改善へどのようにつなげるのかが、次のポイントです。

分析だけで終わらない、改善提案から効果測定までをつなぐ仕組み

Adobe Brand Visibilityは、AI検索上の表示状況を分析するだけでなく、見つかった課題をコンテンツの改善へつなげます。自社が言及されにくいプロンプトや、競合他社と比べて情報が不足しているテーマをもとに、AIエージェントが優先度の高い改善案を提示します。
提示された改善案は、利用者の承認に基づいて実行されます。すべてが自動的に書き換えられるのではなく、人が内容を確認してから反映できる仕組みです。アドビの発表によると、承認後は数分で最適化を行い、変更した自社コンテンツを大規模言語モデル(LLM)が参照できる状態にするとしています。
改善には、Semrushが17年以上にわたり蓄積してきた285億件のキーワードと43兆件のバックリンクも活用されます。

バックリンクとは、ほかのWebサイトから自社サイトへ向けられたリンクのことです。こうしたSEOデータをもとに、検索上の評価や信頼性を示すブランドオーソリティが、AIによる引用とどのように関係しているかを確認し、充実させるべきコンテンツを検討できます。
改善後の効果を、同じ流れの中で測定できることも特徴です。アドビの分析ソリューションと連携することで、GEOへの取り組みを、予約実績や購入見込みのパイプライン、売上と結びつけて評価できます。AI上での言及が増えたかだけでなく、コンテンツの変更が利用者の行動や成果にどうつながったかまで確認できるため、改善の方向性を判断しやすくなります。
利用方法は、単独のアプリケーションとして使う方法と、「Adobe Experience Manager」と連携する方法があります。Webページやキャンペーン用コンテンツ、画像などのデジタルアセット、商品カタログまで、ブランドが保有する幅広い情報を対象に、人とAIの双方が理解しやすい状態へ整えられます。
現状の把握から改善案の提示、承認と反映、効果測定までを一つの流れで進め、得られた結果を次の改善に生かしていく仕組みです。アドビ公式ページでは、Adobe Brand Visibilityは近日リリース予定と案内されています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Adobe Brand Visibilityは、AI検索における自社ブランドの見え方を把握し、コンテンツの改善から効果測定までを支援するソリューションです。
内容を確認する中で、検索順位だけでなく、AIの回答で自社がどのように紹介されているかにも目を向ける必要があると感じました。
人が内容を確認しながら改善を進められる仕組みは、AI検索に合わせた情報発信を考えるうえで、一つの手がかりになりそうですね。