2026.07.28 | テクノロジー

Claude Opus 5登場 性能・料金・安全性から見る新たな特徴

Anthropicは、Claudeシリーズの新モデル「Claude Opus 5」の提供を開始しました。前世代と同じ価格を維持しながら、コーディングや知識労働、科学研究などの性能を高めています。今回は、Opus 5の性能や作業の進め方、安全性への対応、提供方法を分かりやすく紹介します。

性能とコストを両立するClaude Opus 5の特徴

Claude Opus 5は、前世代のClaude Opus 4.8と同じ料金で、コーディングや知識労働などの性能を高めたモデルです。料金は入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドルに設定されています。Claude Maxでは新たな標準モデルとなり、Claude Proでは最も性能の高いモデルとして提供されます。
特徴の一つが、回答に使う計算量やトークン量を調整できる仕組みです。複雑な作業では設定を高くして性能を優先し、簡単な処理では設定を低くして速度やコストを抑えるなど、用途に応じて使い分けられます。
ソフトウェア開発能力を測るFrontier-Bench v0.1では、Opus 5がほかのモデルを上回り、1タスクあたりのコストを抑えながら、Opus 4.8の2倍を超える性能を記録しました。

参照:Anthropic

CursorBench 3.2では、計算量を最大に設定した場合、Claude Fable 5の最高スコアとの差を0.5%以内に抑えつつ、1タスクあたりのコストは半分とされています。
知識労働や問題解決の評価でも結果を残しています。未知の問題を解く能力を測るARC-AGI 3では、次に高いモデルの3倍のスコアを記録しました。業務を最初から最後まで完了できるかを測るZapier AutomationBenchでは、同じタスク単価で比較した場合、合格率が次点モデルの約1.5倍でした。パソコン操作能力を測るOSWorld 2.0では、Fable 5の最高結果を3分の1強のコストで上回っています。
科学研究でも、構造生物学、有機化学、バイオインフォマティクスなどを扱うAnthropicの生命科学評価すべてで、Opus 4.8を上回ったと説明されています。特に、分光データから分子構造を推定する内部評価では10.2ポイント、タンパク質の配列変化が機能へ与える影響を予測する課題では7.7ポイント高いスコアを記録しています。生命科学分野に加えて、インタラクティブな図など、視覚的な出力も改善したと説明されています。
Opus 5は、性能を一律に高めるだけでなく、作業内容に応じて計算量とコストのバランスを調整できる点が、実際の運用を考えるうえでの特徴といえます。次のセクションでは、目的達成に必要なステップを計画し、結果を検証しながら作業を進めた事例をご紹介します。

途中の結果を確認しながら方法を見直すOpus 5

Claude Opus 5は、一度回答を出して終わるのではなく、途中の結果を確認しながら方法を見直す能力を高めています。Anthropicは、評価試験や早期アクセスを通じて、Opus 5が不足する手段を自ら補い、作業を最後まで進めた複数の事例を紹介しております。
Frontier-Benchのある課題では、機械部品の図面をもとに、3D設計ソフト「FreeCAD」で部品を再現するコードの作成を求められました。ただし、Opus 5には図面を直接確認する方法が与えられていませんでした。
そこでOpus 5は、画像のピクセルデータから形状を読み取るためのコンピュータービジョン処理を自ら作成し、抽出した情報を使って部品全体を再現しました。

この課題には繰り返し成功しており、同じ条件で試したほかのモデルは、5回試行しても解決できなかったとされています。
オープンソースのパッケージ管理ツールに存在する実際の不具合を修正する課題では、表面的な症状だけでなく、根本原因を特定しました。さらに、コミュニティが作成した修正では見落とされていた例外的な条件まで発見し、修正しています。一方、比較対象のモデルは表面上の問題のみを直し、根本原因を解決しないまま完了したと報告しました。
トレーディング企業での利用例では、エンジニアがOpus 5を使い、新しい取引所向けの市場データフィードを1回のセッションで構築しました。従来のモデルは、エンジニアから詳細な計画を与えられても、この作業を完了できなかったといいます。また、検証に利用できるライブデータがなかったため、Opus 5はコードが取引所のデータを正しく解析できるかを確かめるテスト環境も作成しました。
Anthropicが紹介した事例からは、Opus 5が目的に必要な手段を考え、結果を検証しながら作業を進める傾向が示されています。ただし、いずれも特定の評価や利用環境で確認された事例であり、さまざまな作業を自動で完了できることを示すものではありません。こうした能力を広く提供するうえでは、作業内容に応じた安全対策も重要になります。

高い能力を日常利用につなげる安全対策と提供方法

Claude Opus 5では、性能の向上とあわせて、安全性を保ちながら利用するための仕組みも整えられています。Anthropicが提供前に実施した自動行動監査では、Opus 5は同社がこれまで開発したなかで、最も行動原則や安全方針に沿ったモデルと評価されました。
Opus 5は、Opus 4.8、Sonnet 5、Fable 5よりもClaudeの行動原則に従う傾向が強く、欺瞞的な行動の発生率が低いほか、不正利用を目的とした誘導にも影響されにくいと説明されています。また、元に戻すことが難しい影響を伴う無謀な行動を避ける傾向も、同社のモデルのなかで最も強いとされています。
サイバーセキュリティ分野では、ソースコードを調べて脆弱性を発見する用途が認められています。

一方、コンパイル済みの実行ファイルなどを対象とした脆弱性スキャンや、システムへの侵入を試みて弱点を調べる作業、攻撃コードの生成などは制限されます。
Opus 5は、脆弱性を発見する能力ではClaude Mythos 5に近い結果を示しましたが、見つけた脆弱性を悪用する能力では大きく下回っています。Anthropicは、生物学研究と攻撃的なサイバーセキュリティの両分野において、Opus 5がMythos 5より低い能力にとどまることを確認しています。
安全性を判定する分類器がリクエストを制限した場合、Claude.ai、Claude Code、Claude Coworkでは、標準でOpus 4.8へ切り替えられます。APIでも、Opus 4.8への「フォールバック」を設定可能です。また、Cyber Verification Programに参加する企業や研究者には、安全上の制限を一部緩和したOpus 5が提供されます。
Opus 5はすべてのプラットフォームで利用でき、Claude APIでは「claude-opus-5」を指定します。通常の約2.5倍の速度で動作するFastモードも提供され、Claude Platformでは基本料金の2倍、Claude Codeでは利用クレジットを通じて利用できます。
また、会話の途中で利用するツールを変更してもプロンプトキャッシュを維持できる機能や、Opus 5またはFable 5で安全分類器により制限されたリクエストを、利用可能な別のモデルへ自動的に切り替える機能も、APIのベータ版として追加されました。一般アクセスには、データ保持に関する要件は設けられていません。
性能を引き上げる一方で、リスクの高い用途には制限を設け、必要に応じて別のモデルへ切り替える仕組みを用意しています。能力、速度、コスト、安全性を用途に合わせて選べることが、Opus 5の提供方法における特徴です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Claude Opus 5は、性能を高めながら、作業に応じて計算量や速度、コストを調整できるモデルです。目的達成に必要なステップを計画し、結果を検証しながら進める能力も強化されました。一方で、リスクを伴う用途には制限やフォールバックの仕組みが設けられています。
実際に活用する際は、性能の高さだけでなく、作業内容やコスト、安全性を踏まえて使い分けることが重要といえるでしょう。