AI顧客との対話でPM業務をゲーム形式で学べる「leaderia」提供開始
生成AIの普及により、ソフトウェア開発では、コードを書く力に加えて、顧客の要望を整理し、チームやプロジェクトをまとめる力も重視されています。株式会社IGNIS GATEは、PM業務をゲーム形式で疑似体験できる育成カリキュラム「leaderia」の提供を開始しました。本記事では、開発の背景と学習内容を紹介します。
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AI時代のPM育成を支える「leaderia」開発の背景
ソフトウェア開発の現場では、生成AIがコーディングやテスト、ドキュメント作成などを担えるようになりつつあります。一方、顧客との信頼関係を築き、本質的な課題を見つけながら、チームをまとめてプロジェクトを導く役割は、AIだけでは代替しにくい領域です。
PMには、顧客と開発チームの間に立ち、要望や課題を整理するだけでなく、納期や品質、メンバーの役割を管理し、状況に応じてスケジュールや作業内容を調整する力が求められます。調整力や判断力は、書籍や動画から知識を得るだけでは身につけにくく、仕様変更や作業の遅れ、品質上の問題など、その都度異なる状況への対応が求められるため、実践を通じて経験を積むことが重要とされています。
ただ、多くのSES企業や受託開発企業では、PM人材を育成しにくいという課題を抱えているとされています。SESとは、エンジニアが顧客企業のプロジェクトに参加して技術支援を行う事業形態です。
こうした課題を背景に、IGNIS GATEは、PM候補を育成したいSES企業や受託開発企業、システム開発会社のほか、上流工程やPM案件への挑戦を考えるフリーランスエンジニアなどを主な利用者として想定し、「leaderia」の提供を開始しました。
「leaderia」は、実際の案件を任せる前にPMとしての経験を積めるよう、プロジェクト全体をシミュレーションゲーム形式で学ぶカリキュラムです。受講者は、プロジェクトの開始から完了後の振り返りまで、状況に応じたさまざまな判断を重ねながら、一連のPM業務を疑似体験できます。
実際の案件だけでPM人材を育てようとすると、経験できる場面や任せられる範囲が限られる場合があります。現場に出る前にプロジェクトの一連の流れを疑似体験できることは、知識と実務経験の間を補う方法のひとつといえるでしょう。また、ゲーム形式で学習を進め、演習に伴うキャラクターの成長を確認できる設計には、PMとして身につけた力を意識しながら学習に取り組める利点があります。
具体的にどのような業務を体験するのか、次のセクションで紹介します。
AI顧客との要件定義からトラブル対応までを疑似体験
「leaderia」では、受講者がPM役となり、一つのプロジェクトを開始から完了後の振り返りまで進めます。最初に行うのが、AIが演じる顧客へのヒアリングです。AI顧客は必要な情報を最初からすべて提示するわけではないため、受講者は質問を重ねながら、必要な機能やその機能が必要な理由、予算、納期、優先順位などを引き出します。
質問の内容によって、得られる情報やその後の進み方も変化します。そのため、受講者は要望を聞くだけでなく、なぜその機能が必要なのかを確認しながら、顧客の課題を整理していかなければなりません。
顧客への質問を重ねて必要な情報を集め、その内容を計画や判断へつなげる一連の流れを体験できる点は、PM業務が進行管理だけでなく、顧客の要望や条件を整理する役割も担うことを理解する機会になると考えられます。
ヒアリング後は、スコープの調整やWBSの作成、工数の見積もり、スケジュールの策定などに取り組みます。
WBSは、プロジェクトに必要な作業を細かく分解し、整理したものです。受講者は、予算や納期などの条件を踏まえながら、実行可能な計画を組み立てます。
プロジェクトの進行中には、仕様変更や作業の遅れ、品質問題、顧客からの追加要望、想定外のトラブルなども発生します。受講者は、作業範囲やスケジュールをどのように見直すのか、リスクをどう抑えるのか、顧客へどのように説明するのかを判断します。選んだ対応によってその後の進行や結果が変わるため、状況を分析しながら意思決定する過程を学ぶことができます。
PM業務では、状況に応じて判断するだけでなく、その判断がプロジェクトの進行や結果にどのような影響を与えたのかを振り返ることも重要です。「leaderia」で現場に起こり得る出来事を繰り返し体験し、異なる対応と結果を比較できる点は、シミュレーション形式ならではの学びにつながると考えられます。判断の根拠と結果を結びつけて振り返ることで、別の状況に直面した際に、どのような点を考慮すべきかを整理する機会にもなるでしょう。
まとめ

いかがだったでしょうか?
「leaderia」は、AI顧客との要件定義から計画作成、トラブル対応、振り返りまで、一連のPM業務をゲーム形式で体験できる育成カリキュラムです。書籍や動画だけでは学びにくい判断の過程を、シミュレーションを通じて繰り返し経験できる点が特徴です。
生成AIが開発作業の一部を担うようになっても、顧客の意図をくみ取り、状況に応じて計画や対応を見直す役割の重要性は変わりません。PMに必要な知識を覚えるだけでなく、判断とその結果を疑似体験できる仕組みは、実務へ進む前の準備を支える一つの方法になると考えられます。

