OpenAI、SynthIDを音声へ拡大 画像・音声の来歴確認を強化
OpenAIは、AIで生成された画像や音声の出所を確認しやすくする取り組みを広げています。Content CredentialsやSynthID、一般向け検証ツールを組み合わせ、作成元や編集履歴を確認する手掛かりとなる仕組みです。本記事では、各技術の役割と、画像・音声の来歴を確認する方法を分かりやすく紹介します。
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C2PAとSynthIDを組み合わせて来歴情報を残す仕組み
AIで生成・編集された画像や音声が広く共有される中、どのツールで作られ、どのような編集が加えられたのかを示す「来歴情報」の重要性が高まっています。
OpenAIは2024年以降、DALL·E 3で生成された画像へのContent Credentialsの付与を開始し、その後、ImageGenやSoraにも対象を広げてきました。Content Credentialsは、コンテンツの作成元や編集履歴などを記録する仕組みです。技術的な基盤となるC2PAは、メタデータと暗号署名を使い、来歴情報をコンテンツとともに安全に保持・伝達するための業界共通の技術標準を指します。
OpenAIは、C2PAが定めるコンテンツ生成製品向けの適合基準に準拠しています。

これにより、C2PAに対応したプラットフォームは、OpenAIが付与した来歴情報を読み取り、保持し、別の環境へ引き継ぎやすくなります。来歴情報がコンテンツとともに保持されることで、作成元のサービスを離れた後も出所を確かめる手掛かりとして役立ちます。
一方、メタデータは、ファイルをアップロード・ダウンロードする過程で削除・消失したり、形式変更やサイズ変更、スクリーンショットなどの変換によって破損したりする場合があります。そこでOpenAIは、Google DeepMindが開発したSynthIDも導入しました。SynthIDは、通常の閲覧や再生を妨げない形で、コンテンツに来歴を示す情報を埋め込むウォーターマーク技術です。
ChatGPT、Codex、OpenAI APIで生成された対応画像に加え、2026年7月31日の更新では、ChatGPT音声モードやOpenAI APIを通じてGPT-Liveで生成された対応音声にもSynthIDが付与されるようになりました。C2PAが作成元や編集方法などの詳しい情報を伝えるのに対し、SynthIDはメタデータが保持されない場合にも来歴を示すシグナルを残します。
音声にもSynthIDが付与されることで、画像だけでなく、生成音声についても作成元を確認するための手掛かりが加わりました。AIによる音声生成の利用が広がる中、来歴を確認できる対象が増えることには意義があると考えられます。
画像と音声の出所を確認できる検証ツールを公開

OpenAIは、画像に含まれる来歴情報を利用者が確認できる、一般向け検証ツールの初期プレビューを公開しています。画像ファイルをアップロードすると、Content CredentialsやSynthIDなどの来歴シグナルが含まれているかを調べられます。
画像については、ChatGPT、OpenAI API、Codexのいずれかで生成された可能性を検証できます。OpenAI由来のSynthIDが検出され、C2PAのメタデータもファイル内に残っている場合は、その内容も表示されます。2026年7月31日の更新では、画像に加えて、ChatGPT音声モードやOpenAI APIを通じてGPT-Liveで生成された対応音声ファイルも検証できるようになりました。
検証機能はAPIからも利用でき、開発者や組織は来歴の確認を独自のサービスや作業工程に組み込めます。
ただし、検証ツールは、コンテンツがOpenAIのツールで生成されたかどうかを完全に判定するものではありません。ファイルの加工や変換によって、メタデータやウォーターマークが失われる可能性があるためです。来歴シグナルが検出されなかった場合も、OpenAIのツールで生成されていないと断定せず、結論を出さない設計になっています。
公開時点の対象は、OpenAIのツールで生成された対応コンテンツに限られます。OpenAIは今後、プラットフォームをまたいだ検証を可能にする業界横断の取り組みを支援し、より多様なコンテンツへの対応を進める方針です。
検証ツールやAPIを通じて来歴情報を確認できることは、画像や音声の出所を考える際の手掛かりを増やす取り組みといえます。一つの検証結果だけで判断するのではなく、作成元や公開経路など、ほかの情報とあわせて活用することが重要になるでしょう。
まとめ

いかがだったでしょうか?
OpenAIは、C2PAによる来歴情報とSynthIDの透かし、検証ツールを組み合わせ、画像や音声の作成元を確認するための仕組みを広げています。今回、SynthIDと検証ツールの対象が対応音声にも広がったことで、画像だけでなく生成音声についても来歴を確かめる手掛かりが増えました。
来歴情報は、コンテンツの真偽を一つの結果だけで決めるものではありません。作成元や公開経路、内容とあわせて確認することで、オンライン上の画像や音声を判断するための材料として活用できるでしょう。