2026.08.06 | テクノロジー

Gemini Robotics 2とは?できること・特徴・3つのAIモデルを解説

Google DeepMindは、ロボット向けAIモデル群「Gemini Robotics 2」を発表しました。人型ロボットの全身制御や、複数のロボットによる協働作業、ロボット本体で動作する軽量モデルなどを備えています。本記事では、3つのAIモデルの役割や特徴、ロボットがどのような作業に対応できるようになったのかを分かりやすく紹介します。

3つのAIモデルが支える「Gemini Robotics 2」の仕組み

Google DeepMindが発表した「Gemini Robotics 2」は、ロボット向けに設計されたAIモデル群です。ロボットの動きを制御するだけではなく、周囲の状況を理解し、人の指示を受けて次の行動を考えるまでを担います。その役割を支えているのが、用途の異なる3つのAIモデルです。
中核となる「Gemini Robotics 2」は、VLA(Vision-Language-Action)モデルを採用しています。VLAとは、カメラで捉えた映像や人からの言葉による指示を理解し、それをロボットの動作へ変換する仕組みです。卓上で作業するロボットアームから人型ロボットまで幅広い機体に対応し、歩行や物を持ち上げる動作、全身を使った姿勢制御などを行います。

もう一つの「Gemini Robotics ER 2」は、身体性推論(Embodied Reasoning)モデルです。身体性推論とは、ロボットが周囲の状況を理解し、目的を達成するために複数の作業手順を考える仕組みを指します。人からの指示を受けると、どの順番で作業を進めるべきかを計画し、作業中の映像から進捗や失敗を判断します。必要に応じて同じ工程をやり直したり、次の作業へ移ったりする判断も行います。また、Google検索やGoogleカレンダーなどのツールのほか、開発者が用意した機能も利用しながら情報を取得し、その結果を推論へ反映できる点も特徴です。さらに、人との会話を通じて指示を理解し、自身の行動や判断内容を説明できるよう設計されています。
「Gemini Robotics On-Device 2」は、ロボット本体で動作するよう最適化された軽量モデルです。インターネット接続が難しい場所や、通信の遅れを避けたい環境でも利用できるよう設計されています。Google DeepMindによると、新しい双腕ロボットにも200例未満の学習データで適応でき、数時間程度で新しい機体へ対応できるとしています。
このように、「Gemini Robotics 2」は動作を実行するモデル、作業を計画するモデル、ローカル環境で動作するモデルが役割を分担しながら連携する構成になっています。続いて、これらのモデルによってロボットがどのような作業を行えるようになったのか、具体的な機能や活用例を紹介します。

全身制御や複数ロボットの協働で広がる活用と今後の課題

人型ロボットでは、腕だけでなく足元から指先まで全身を制御し、歩く、しゃがむ、体を曲げる、物を持ち上げるといった動きを組み合わせながら作業を進められるようになりました。Google DeepMindが公開したデモでは、ヒューマノイドロボット「Apollo 2」が、じょうろを持って移動し、棚の最下段にある緑色の容器へ入れる様子が紹介されています。
手先の細かな作業にも対応しており、22自由度を持つロボットハンドでは、電球を回したり、袋の口を縛ったり、ジッパー付きの袋を閉じたりする作業を実行できます。また、2本指のグリッパーを備えたロボットでは、物を密に詰めたり、精密な差し込みを行ったりする作業にも対応します。

さらに、「Gemini Robotics ER 2」は、ロボットが作業を続けながら次に何を行うべきかを考え、必要に応じて複数のロボットへ役割を分担させることもできます。
公開されたデモでは、人型ロボットと双腕ロボットが情報を共有し、散らかった部屋を協力して片付ける様子も紹介されました。
一方で、Google DeepMindは、すべての作業を高い精度で行える段階には至っていないことも明らかにしています。評価では、電球を外す作業の成功率は92%でしたが、電球を取り付ける作業は36%、袋の口を縛る作業は44%でした。多指ハンドによる細かな操作は、今後も改善が必要な課題とされています。
安全性への配慮も進められています。Google DeepMindは、人がロボットへ近づいたことを検知して安全機能を呼び出す仕組みを評価する一方で、医療や交通など、誤動作が重大な事故につながる可能性がある用途では利用しないよう求めています。
また、「Gemini Robotics ER 2」はGemini APIとGoogle AI Studioでパブリックプレビューとして提供が始まっており、「Gemini Robotics 2」と「Gemini Robotics On-Device 2」は早期アクセスパートナー向けに提供されています。Google DeepMindは研究パートナーと連携し、次世代のヒューマノイドや汎用ロボットの研究も進めています。今後、こうした取り組みを通じて活用範囲が広がる可能性がありますが、実用化に向けては安全性や精度のさらなる向上も重要になるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Google DeepMindが発表した「Gemini Robotics 2」は、全身を使った動作や複数のロボットによる協働、ロボット本体で動作する軽量モデルなどを組み合わせたロボット向けAIモデル群です。現時点では精密な作業や安全性の面で改善すべき課題も残されていますが、人とロボットが協力して作業を行う環境づくりに向けた取り組みとして注目されています。今後の研究開発や実用化の進展によって、ロボットの活躍する場面がどのように広がっていくのかにも期待したいですね。