2026.08.28 | テクノロジー

GMOメイクショップ、EC運営支援の公式AIスキル4種をOSS公開

GMOメイクショップは、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」のショップ運営向け公式エージェントスキル4種類をGitHubでOSS公開しました。ショップ分析や商品改善、デザイン、開店準備までをAIエージェントが支援します。公開されたスキルの内容と、OSS化によって何が変わるのかを紹介します。

EC運営をAIエージェントが支援 公開された4つの公式スキル

GMOメイクショップは2026年8月5日、GMOメイクショップ調べ(2026年7月時点)で、国内の主要ECサイト構築SaaSとして初めて、ショップ運営向けの公式エージェントスキルをGitHub上でOSSとして公開しました。エージェントスキルとは、AIエージェントに特定の業務を実行させるための手順や判断基準をまとめた設定ファイル群です。今回、「makeshop byGMO」のショップ運営を支援する4種類の公式スキルが公開されています。

1. ショップ開店
ショップ開設時に必要な設定確認をはじめ、商品ページや商品画像生成用プロンプト、SNS告知文の作成などを支援します。開店までに発生する複数の準備作業をAIエージェントに依頼できるスキルです。

2. クリエイターモードデザイン
チャットで指示を出すことで、「makeshop byGMO」のクリエイターモードを利用したショップデザインを作成できます。さらに、インポート用ファイルの生成や表示確認まで対応しており、デザイン制作に関わる一連の作業を支えます。

3. ショップ分析
売上やLTV、RFMなどを分析し、課題の特定や改善提案、HTMLダッシュボードの作成まで対応します。LTVは顧客が取引期間を通じてもたらす価値、RFMは購入時期・購入頻度・購入金額をもとに顧客を分析する手法です。

4. 商品分析・改善
商品の販売状況を分析し、商品名や商品説明、SEO、価格などの改善提案から、商品設定の更新までを支援します。

公開されたスキルは、ClaudeをはじめとしたAIエージェントに対応しています。文章を生成するだけでなく、開店準備、デザイン、分析、商品改善といったEC運営の具体的な業務に合わせてスキルが用意されている点が特徴です。GMOメイクショップは、こうした業務をAIエージェントがどのように処理するのかを確認できるよう、スキルに含まれる業務手順や判断基準なども公開しています。
AIエージェントを実務で活用する際には、対応できる業務の幅だけでなく、処理の手順や判断基準を利用者側で確認できることも重要です。とくにEC運営のように、分析結果や商品情報の更新が実際の業務判断につながる場面では、AIに任せる範囲を把握しやすい仕組みが、導入時の判断材料の一つになると考えられます。

なぜOSSで公開するのか 透明性と継続的な改善を重視

GMOメイクショップは、生成AIの進化によってAIエージェントをECサイト運営に活用できる可能性が高まる一方、実務で安心して利用するには、AIがどのような手順や基準で処理を行うのかを確認できる透明性や、継続的に改善できる仕組みが必要だとしています。そこで、EC運営で培ってきたノウハウをオープンな形で共有し、開発者コミュニティとともに改善を重ねるため、今回のOSS公開に至りました。
OSSは「オープンソースソフトウェア」の略で、ソースコードなどを公開し、定められた条件のもとで利用や改変を可能にする仕組みです。今回の公式エージェントスキルはMITライセンスで公開されており、誰でも無償で閲覧・利用・改変・再配布できます。ショップ運営者だけでなく、開発者や制作会社、パートナー企業も、自社や支援先の業務に合わせて内容をカスタマイズできます。

公開されているのはAIへの指示内容だけではなく、AIエージェントが業務を実行するための「SKILL.md」をはじめ、業務手順、分析基準、レポート仕様、各ショップページのひな形なども含まれます。そのため、利用者はAIがどのような基準や手順で業務を進めるのかを確認したうえで導入できます。
さらに、GitHubのIssueを通じて、利用者や開発者から要望や改善提案を受け付けます。Issueは、GitHub上で不具合や要望、改善案などを共有できる機能です。GMOメイクショップは、開発者、制作会社、パートナー企業、ショップ運営者など、社外の視点や現場の知見を取り入れながら、実際のEC運営で役立つスキルへと継続的に改善していく方針です。
今後は、今回公開した4種類を起点として、ショップ運営業務に活用できる公式エージェントスキルを順次拡充するとしています。
AIエージェントを実務に取り入れる際には、機能そのものだけでなく、利用者側で内容を確認・調整できることや、運用しながら改善を重ねられることも重要です。今回のようにスキルをOSSとして公開する方法は、自社の業務に合わせて調整しながら活用していくための一つの選択肢になると考えられます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
GMOメイクショップが公開した公式エージェントスキルは、開店準備やデザイン、分析、商品改善など、EC運営の幅広い業務をAIエージェントで支援するものです。OSSとして公開されているため、利用者が内容を確認し、自社の業務に合わせて調整できる点も特徴です。
AIエージェントを実務に取り入れるうえでは、機能の多さだけでなく、どこまで任せるのかを利用者側で把握しながら運用できることも重要です。今回の取り組みは、EC運営へのAI導入を考えるうえで、一つの参考になる事例といえるでしょう。