2026.08.29 | テクノロジー

ChatGPT Workの管理業務を変える「Admin plugin」

仕事に必要なツールが増えるほど、管理者は複数の画面を行き来しながら状況を把握し、設定を変更する手間が積み重なっていきます。ChatGPT WorkとCodex向けに登場したAdmin pluginは、そうした一連の作業を一つの会話の中でまとめて完結させる仕組みです。今回はその特徴と活用例を紹介します。

管理業務を一つの会話に集約する仕組み

ChatGPT WorkとCodexに導入されたAdmin pluginは、分析、設定変更、結果確認という一連の作業を、一つの会話の中で完結させる仕組みです。従来は、利用状況を把握するための画面と、設定を変更するための画面が別々になっていることが多く、管理者はその間を行き来する必要がありました。Admin pluginでは、質問を投げかけることで状況を確認し、そのまま変更の指示を出し、結果を確認するところまでを一続きの流れとして行えます。
具体的には、ChatGPT WorkとCodex全体の利用状況やクレジット消費量を確認し、追加の説明や案内が必要な箇所や、上限に近づいているメンバー・グループを把握できます。

また、メンバーの追加・削除、グループの更新、権限の確認、機能やモデルへのアクセス範囲の設定、利用上限の調整や支出リクエストの承認・却下といった作業も、同じ会話の中で行うことができます。
加えて、繰り返し発生するチェックや申請対応については、管理者が条件を設定することで、自動化されたワークフローとして運用することも可能です。例えば、保留中の利用リクエストをSlackやMicrosoft Teamsに転送し、権限を持つ担当者が普段使っているツールの中で承認・却下できるようにしたり、一定の条件を満たす機能アクセス申請を自動的に許可し、条件に当てはまらない例外的な申請だけを人の確認に回したりする、といった使い方です。
なお、Admin pluginは利用者がもともと持っている役割や権限の範囲内で動作するものであり、これによって新たに広い権限が与えられるわけではありません。管理者からの指示は、権限を踏まえたうえで対応可能な読み取り・書き込みの操作に変換され、ワークスペースのポリシーや承認の仕組みに沿って処理されます。どのような変更を依頼し、それが実行されたかどうか、そして実際に何が変わったのかは都度確認でき、特に影響範囲が大きい操作については、適用される前に内容を確認することもできます。
管理という仕事は、これまで「見る作業」と「動く作業」の切り替えに多くの時間を取られてきました。その切り替えの手間が減ることこそ、機能の一覧だけでは語れないAdmin pluginの価値だと言えるのではないでしょうか。

OpenAI社内における導入実例

OpenAIのIT部門では、Admin pluginの導入によって、ワークスペース管理の最初の一歩が変わりました。それまで複数の画面を確認しながら把握していた状況を、質問を投げかけるだけでデータを掘り下げ、レポートやインサイトとして得られるようになったといいます。
同社のグローバルIT責任者であるKunal Malik氏は、この変化について「価値は、レポート作成が速くなるという範囲にとどまりません。Admin pluginは、質問とその次に取るべき行動を結びつけてくれます。誰かの権限を確認することであれ、グループを更新することであれ、利用上限を変更することであれ、支出リクエストを審査することであれ、これまでと同じ権限や管理の仕組みを保ったまま、状況を素早く把握し、対応できるようになりました」と述べています。

Admin pluginは、OpenAIのIT部門がChatGPT WorkとCodexを活用する取り組み全体の一例と位置づけられています。同部門では、Slack上でChatGPT Workのエージェントが従業員からのITに関する問い合わせに対応し、サポートチケットの振り分けや対応、関連情報の確認、承認済みのポリシーとの照合、対応可能な作業の実行、例外的な案件の担当者への引き継ぎまでを行っています。報告時点で、こうした仕組みによってチケット全体のおよそ45%が解決されているとのことです。
さらに、サポートチケットのデータや履歴をもとに、業務の状況をダッシュボードとして可視化できるようになりました。これにより、対応の遅れが解消され、サポート件数がおよそ倍増する状況の中でも、問題が起きてから対応するのではなく、データをもとに優先順位や対応計画を立てられるようになったといいます。
チケット対応の45%が解決されているという数字を含め、”問題が起きてから動く”チームが”先を見て動く”チームへと変わったことこそ、注目すべき変化だと言えそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Admin pluginは、状況を把握することと、実際に手を動かすことの間にあった隔たりを、一つの会話の中でつなぎ直す仕組みだといえます。質問を投げかけ、詳細を確認し、必要な変更を行い、結果を確かめるところまでを、途切れることなく進められる点が大きな特徴です。導入は、ワークスペースの設定でプラグインを有効化したうえで、ChatGPT Workのプラグインディレクトリからインストールすることで完了します。
テクノロジーが担うのは作業であり、判断は人に残る──この線引きこそ、Admin pluginが示す方向性だと言えるでしょう。