2026.09.14 | テクノロジー

求人改善を支援するIndeed PLUS AIアシスタントとは?

求人を公開したものの、どこを直せば応募につながるのか分からない——そんな採用現場の悩みに、AIが改善案を届けます。Indeedは、求職者の行動や求人市場のデータを分析する「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」の提供を開始しました。求人原稿を見直す仕組みと、先行利用企業で確認された変化を紹介します。

求人原稿の改善案をAIが届ける仕組み

「Indeed PLUS」は、複数の求人サイトとATS(採用管理システム)をつなぐ求人配信プラットフォームです。ATSとは、応募者の情報や選考状況をまとめて管理するシステムを指します。企業がIndeed PLUS連携ATSから求人を一度投稿すると、求人の内容や特性、閲覧・応募状況などをもとに、Indeedが最も適していると判断した連携求人サイトへ自動で掲載されます。
新たに提供が始まった「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」は、求人配信後の状況をAIが分析し、求人原稿の改善案を採用担当者に届ける機能です。日本では人手不足が深刻化する一方、特に中小企業では、採用市場を調べたり求人原稿を見直したりするための人員や時間を確保しにくい状況があります。Indeed PLUSの利用企業からも、採用市場の動向を把握しにくい、求人原稿を見直す時間が取れないといった課題が挙げられていました。

AIは、求職者の経験職種やスキル、資格、希望条件に加え、検索キーワードや求人の閲覧時間、応募状況などを分析します。さらに、対象の求人と雇用形態、地域、職種、未経験者向けかどうかが同一で、直近2週間に応募が多かった上位15件の他社求人を参照します。仕事内容や求める人物像、応募数、応募率、給与、労働環境などを照らし合わせ、求人ごとの状況に応じた改善案を作成する仕組みです。参照する他社求人のデータは毎日更新され、分析に使うデータには匿名化と統計的処理が行われるため、個人を特定できるものではありません。
採用担当者が質問や指示を入力しなくても、2026年9月時点では、1件の求人につき最大週1回の改善提案が届きます。提案は「Indeed」または「Airワーク 採用管理」の管理画面で確認でき、必要に応じて修正を依頼することも可能です。内容を承認するとワンタップで求人原稿へ反映できますが、AIが採用企業の承認なく原稿を書き換えることはありません。調査と改善案の作成をAIが支援し、掲載内容は採用企業が最終的に決める仕組みです。
求人ごとに指示を考えるのではなく、AIから届く提案を基に判断できる点は、限られた人員で採用を進める企業にとって、原稿改善を続けやすくする仕組みといえます。先行利用では、応募数や原稿の見直し時間に関する具体的な結果も報告されています。

先行利用で見えた応募数と作業時間の変化

「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」は、今回の提供開始に先立ち、2026年1月1日から6月30日まで一部の採用企業で利用されました。Indeedの発表によると、改善提案を1回以上承認するなど一定の条件を満たした企業のうち、承認前と比べて承認後の応募数が増加した企業では、提案の承認から応募獲得までの平均日数が約2日でした。対象を限定した集計であり、すべての企業で同じ結果が得られることを示すものではありません。
北陸地方の従業員50名以下の飲食業では、同じ職種や地域の求人を調べ、原稿を練り直す時間を確保できていませんでした。汎用的なAIも試しましたが、求人ごとに改善してほしい点を考えて入力する必要があり、継続的な利用には至らなかったといいます。

Indeed PLUS AIアシスタントから届いた提案のうち、自社が求める人材に合う内容を原稿へ反映した結果、繁忙期における1求人あたりの応募数は2.3件から4.6件となりました。
関東地方の従業員1,000名以下のサービス業では、求職者の視点で原稿を読み直し、同じ職種や地域の求人動向を毎週調査していました。1求人の見直しに約60分かかり、求人全体では月間約200~400時間を費やしていたといいます。AIから改善案を受け取ることで、担当者は自社の採用方針に合うかどうかの判断に集中できるようになり、1求人あたりの見直し時間は約60分から約5分になりました。
2026年9月時点では、Indeedで直接投稿されたスポンサー求人、または「Airワーク 採用管理」から投稿されたスポンサー求人を対象に順次提供されています。雇用形態は正社員、アルバイト・パート、契約社員のいずれかで、勤務地が日本国内にある求人が対象です。利用条件や対象範囲は今後変更される可能性があります。
成果は企業の利用状況や求人市場によって異なりますが、改善案の作成をAIが支援し、人が内容の確認と判断に集中する役割分担は、限られた採用時間を有効に使う一つの方法になりそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」は、公開後のデータを基に、求人原稿の改善判断を支援する機能です。
成果は利用状況などによって異なりますが、AIの分析と人の判断を組み合わせる仕組みは、限られた時間で求人を見直す選択肢の一つになりそうです。
今回の機能からは、採用分野におけるAIの役割が、原稿作成から公開後の改善支援へ広がりつつあることがうかがえます。