2026.09.17 | テクノロジー

パーソルの「StepBase AI手順書作成」で進める属人化対策

業務手順書を整えたいと思いながら、日々の仕事に追われて後回しになっていないでしょうか。パーソルビジネスプロセスデザインは、AIと専門人材が作成を支援する「StepBase AI手順書作成」の提供を開始しました。担当者の経験に埋もれた判断基準をどう引き出し、形にするのか。サービス提供の背景と仕組みを紹介します。

担当者の頭の中にある手順を見える形へ

「StepBase AI手順書作成」が開発された背景には、労働人口の減少に伴う人材不足があります。特に限られた人員で事業を運営する中小企業では、業務の進め方や必要な知識が一部の担当者に集中する「属人化」が課題となっています。同社の責任者は、急な退職や休職が発生した際に、業務の停滞や引継ぎの混乱などにつながるケースがあると説明しています。
こうした状況への対応策として、近年はバックオフィス業務を中心にBPOの活用が広がっています。一方、外部へ業務を任せるには、仕事の流れや判断基準を可視化・標準化する必要があり、その未整備がBPOの活用や業務改善を妨げる要因となっていました。

業務を整理するうえで必要となるのが手順書ですが、担当者が通常業務と並行して作成するには、多くの時間と工数がかかります。作業の流れだけでなく、企業独自のルールや、現場に蓄積された暗黙知まで言葉にしなければならないためです。一方、AIだけに作成を任せた場合も、こうしたルールや暗黙知を十分に反映できないケースがあります。
「StepBase」は、パーソルビジネスプロセスデザインが実務経験豊富な人材を通じて、企業の業務をオンラインで支援するBPOサービスです。バックオフィス領域で7,000以上の業務フローを保有しているため、委託前に手順書やマニュアルを用意する必要がなく、経理・労務・採用をはじめ幅広い業務を支援しています。パーソルビジネスプロセスデザインは、そこで培った業務設計・運用の知見とAIを組み合わせ、「StepBase AI手順書作成」を開発しました。では、担当者の中にある知識を、どのような流れで手順書へ落とし込むのでしょうか。

AIの速さと専門人材の視点で手順書を作成

「StepBase AI手順書作成」は、経理・労務・採用などのバックオフィス業務を対象としています。手順書の作成をAIだけで完結させるのではなく、実務経験を持つ専門人材が、業務担当者へのヒアリングから内容の確認まで関わる仕組みです。
最初に、専門人材が業務担当者へヒアリングを行い、日々の作業内容や進め方を整理します。確認するのは、決められた手順だけではありません。社内で定められたルールと実際の運用との違いや、業務を進めるうえでの判断基準も把握し、現場に蓄積された暗黙知を引き出します。
続いて、ヒアリングで整理した情報をもとに、AIが手順書のドラフトを作成します。ただし、AIが生成した内容をそのまま完成版とするわけではありません。

専門人材が内容を確認し、業務上の判断基準や注意事項を補記することで、作成の速さと品質の確保を図ります。AIによる文章生成・情報整理と、人による実務的な視点での確認を組み合わせている点が特徴です。
提供価格は、1業務あたりの基本料金が6万円からです。画面キャプチャの追加などには3万円からのオプション料金が設定されており、いずれも税別となっています。
今後は、経理・労務・採用以外の業務にも対象範囲を広げ、既存のBPOサービスとの連携を進める方針です。自治体や企業との連携も視野に入れ、全国の中小企業へのサービス提供を進めるとしています。手順書を作るだけでなく、業務の標準化や円滑な引継ぎにつながる仕組みまで支援する点が、「StepBase AI手順書作成」の特徴といえるでしょう。
今後のBPOサービスとの連携では、作成した手順書を日々の業務にどう生かし、継続的な改善につなげていくかが注目されます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
「StepBase AI手順書作成」は、担当者の中に蓄積された業務知識を、AIと専門人材によって手順書へ落とし込むサービスです。
現場の判断基準や注意事項まで整理することで、別の担当者への円滑な業務引継ぎを支援します。
人員の変動に備えながら属人化を見直したい企業にとって、業務を可視化・標準化する選択肢の一つになりそうです。