2026.10.01 | テクノロジー

OpenAIのdotsとは?常時稼働するAIエージェントの特徴と使い方

OpenAIは、24時間稼働できるユーザー専用のAIエージェント「dot」を通じて、継続して仕事を進められる「dots」を発表しました。GPT-6 Astraを搭載し、専用のクラウド環境や4,000以上のアプリとの連携にも対応しています。ChatGPTやSlackなどから利用できるdotsの仕組みや活用例、安全性、利用方法を紹介します。

指示を待つAIから仕事を任せられるAIへ

OpenAIが発表した「dots」では、ユーザーごとに専用のAIエージェント「dot」を持ち、継続して仕事を任せられます。dotにはGPT-6 Astraが搭載され、専用のクラウドコンピューターとブラウザーが用意されます。クラウドコンピューターとは、インターネット上に用意された作業用のコンピューターのことです。dotはこの環境を使い、必要に応じてコードを記述し、動作をテストすることもできます。
dotの特徴の一つは、ユーザーの目標や好み、求める仕事の質をフィードバックから継続的に学んでいく点です。一緒に働くほど、ユーザーの考え方や求める仕上がりを学び、次の作業に生かしていきます。また、毎回細かな手順を一つずつ伝えなくても、新しいタスクやアイデアを追加しながら、複数のプロジェクトを並行して進められます。作業中はdotのコンピューターを開き、進捗を確認することも可能です。

dotは、OpenAIのプラグインエコシステムを通じて4,000以上のアプリに接続できるほか、ChatGPT、テキストメッセージ、Slack、Teamsから連絡できます。なお、iMessageとRCSによるテキストメッセージ機能は、Proユーザー向けの限定ウェイトリストとして提供されています。途中で利用する場所が変わっても文脈を引き継ぐため、それまでの経緯を改めて説明する必要はありません。音声通話にも対応しており、質問したり、考えを整理したり、作業の方向性を伝えたりしながら利用できます。
利用を始める際は、まず1つのdotに名前を付け、自分専用の存在として設定します。ユーザーが許可すれば、自分のデバイスにdotを接続し、普段使っている環境で作業させることも可能です。では、こうした仕組みは実際の仕事でどのように活用できるのでしょうか。

バグ修正からコンテンツ制作まで dotが仕事を進める仕組み

dotは、単発の質問に答えるだけでなく、仕事の目的や過去のフィードバックを踏まえながら、複数の工程を継続して進めます。OpenAIは、開発や製品ローンチ、研究、営業、コンテンツ制作などの活用例を紹介しています。
開発では、顧客要望をもとに改善やバグ修正を進めます。繰り返し寄せられる要望から対応範囲を定め、実装・テストを行います。その後、変更内容を示す動画を添えたPR(プルリクエスト)を用意します。PRとは、コードの変更内容を確認してもらうための仕組みです。開発者はdotが用意した内容を確認しながら、別の主要な機能開発を進められます。

製品ローンチでは、仕様変更に合わせて資料や制作物を準備します。dotはターゲットや製品の位置づけ、クリエイティブの基準を学び、それらを踏まえてローンチ資料や制作物の変更案を用意します。
研究では、新しいデータに合わせて分析や図表を更新します。データを受け取ると分析を再実行し、その結果をもとに論文用の図表や説明を修正します。
営業では、顧客情報を整理して提案内容を更新します。顧客の要件や取引履歴を製品ドキュメントと照合し、未確認の項目を整理したうえで、提案書やテスト計画に反映します。
コンテンツ制作では、文字起こしから投稿用の素材を準備します。インタビューの文字起こしから切り抜きに適した場面を探し、概要やSNS投稿の下書きを用意します。ユーザーから修正を受けた場合は、その内容を関連する素材にも反映します。
OpenAI社内でも、Slackで報告されたバグの調査や、デザインをもとにしたアプリ制作、計画を進めるための支援などにdotが使われています。初期テスターの例では、請求し忘れていた作業をdotが見つけて請求書を作成し、本人が内容を承認したあとに送信しました。このように、dotは仕事を継続して進めながらも、必要な場面ではユーザーの確認を挟む仕組みになっています。

任せる範囲は自分で決める dotsの安全性と利用方法

dotがアクセスできるアプリは、ユーザー自身が選択できます。操作ごとに、自動で実行させる、承認を必須にする、実行を禁止するといったカスタムルールを設定でき、アクティビティビューからバックグラウンドを含む進捗を確認することも可能です。必要があれば、途中で指示を出し直せます。
各dotは専用のクラウドコンピューター上で動作し、ユーザーが接続しない限り、自分のコンピューターとは分離されています。対応するWebサイトへログインする際には、保存済みのパスワードをAIモデルに開示せずに利用できます。
ユーザーが直接やり取りしていない間には、「プロアクティブリサーチ」と呼ばれる仕組みで、役立つ情報がないか接続済みのアプリを確認します。

ただし、この調査に使われるツールは読み取り専用で、メッセージの送信やアプリ内の情報変更、ブラウザーやコンピューターの操作は行いません。
アカウントへの影響や情報共有につながる可能性がある操作は自動レビューされ、内容によってはユーザーの承認が必要です。パスワード変更など、特に慎重な操作はユーザー自身で行う必要があります。OpenAIも、dotが誤る可能性があるため、重要な影響を伴う作業は確認するよう案内しています。
提供は対象地域のProとBusiness Premiumから順次始まり、Enterpriseユーザー(EduとHealthcareを含む)は、ワークスペースの管理者が有効にするとベータ版を利用できます。最初のdotはProまたはBusiness Premiumに追加料金なしで含まれ、パソコンのブラウザーまたはChatGPTのデスクトップアプリから作成できます。
プランには、より高度な作業に使える利用枠も含まれています。企業向けには、組織内の特定業務を担当する「専門dot」の限定プレビューも提供されています。OpenAI社内では、調達や請求書処理、メールマーケティング、カスタマーサポート、商取引の契約業務で初期テストが行われています。作業を継続して任せつつ、必要な場面では人が判断や承認を行う仕組みが、個人向けと組織向けの双方に用意されています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
dotsは、ユーザー専用のAIエージェント「dot」に、目標に沿った作業を継続して任せられる仕組みです。
個人向けに加え、OpenAI社内での活用や、企業向けの「専門dot」の限定プレビューも進められています。
今後は、こうした先回りした支援が一部の作業にとどまらず、より多くの業務や場面に広がっていく可能性があります。