2026.10.13 | テクノロジー

Shopify「Canvas」とは?AIとの対話でストアデザインを実現

オンラインストアを思い通りに変えたい。でも、コードは書けない。そんな悩みに応える新機能として、ShopifyはAIアシスタント「Sidekick」と対話しながらストアをデザインできる「Canvas」を発表しました。言葉で伝えたイメージが、どのように画面へ反映されるのか。今回はその仕組みと特徴をわかりやすく紹介します。

Shopifyが発表した「Canvas」とは?AIとの会話からストアを形に

Shopifyは2026年10月2日、AIアシスタント「Sidekick」との対話を通じてオンラインストアをデザインできる、新しいビジュアルデザインワークスペース「Canvas」を発表しました。画面上で直接デザインを編集する機能と、Sidekickによるコード生成を組み合わせることで、従来のテーマ設定だけでは難しかったデザイン変更にも対応します。
Shopifyにおける「テーマ」とは、ページのレイアウトや色、文字など、オンラインストアの見た目を形づくる土台です。これまではテーマの設定範囲を超えて独自性の高い変更を加えたい場合、コーディングの知識を使って実装したり、開発者へ依頼する必要がありました。

オンラインストアのデザインについて明確なイメージを持っていても、それを形にするためのコーディングスキルや開発リソースが必ずあるとは限りません。ShopifyはCanvasを通じて、思い描いているデザインと実際に実現できるデザインの間にある隔たりを小さくすることを目指しています。
Shopifyはこれまでも、AIを使ったストアデザイン案の作成や、ページを構成するパーツの追加・編集など、ストアをカスタマイズするための機能を提供してきました。Canvasではさらに、個々のテーマやパーツだけでなく、ストアの各ページやデザインシステムまで一つの作業環境で扱えるようになります。
なお、今回の発表資料では、Canvasの提供開始時期、対象プラン、料金についての記載は確認できません。機能の概要は示されていますが、現時点で誰がいつから利用できるかまでは、この発表資料だけでは判断できません。
実現したい内容を言葉で伝え、画面を見ながら調整できるCanvas。では、そのアイデアはSidekickとの対話を通じて、どのように実際のデザインへ変わっていくのでしょうか。

「もっとこうしたい」と伝えるだけ。Sidekickがコードまで生成

Canvasでは、デザインの要件を最初からすべて具体的に決めておく必要はありません。Sidekickに「どのようなストアにしたいか」を伝えると、追加の質問や進め方の提案をしながら、利用者が思い描いているアイデアの具体化を支援します。
特徴のひとつが、Sidekickによるコード生成です。Canvasでは、Shopifyのテーマで使われるテンプレート言語「Liquid」のコードをSidekickが直接生成します。商品情報をページに表示したり、ストアの構成を組み立てたりする際にShopifyで使われているテンプレート言語です。
Sidekickは、既存テーマを構成するパーツやデザインルール、実装上の仕様を踏まえながらコードを生成します。

対応する範囲は、個々の要素の細かな調整からページのレイアウト変更、ストア全体のリニューアルまでさまざまです。
すべての編集をAIに任せる必要もありません。Canvasでは画面上の要素を選び、その場で直接編集することもできます。Shopifyの発表では、細かな調整は画面上で行い、大きなデザイン変更や新しいアイデアを形にしたいときにはSidekickを使うなど、作業内容に応じた使い分けが紹介されています。
利用場面もストアを大きく作り直すときだけではありません。新商品やキャンペーンに合わせたページ変更など、継続的なストア運営でも、事業者自身がアイデアを試しながらデザインを更新できるとしています。
Sidekickとの対話と直接編集を組み合わせることで、デザインを少しずつ形にしていけるCanvas。さらに、完成した一つのページだけではなく、ストア全体を見ながら確認できる仕組みも用意されています。

1ページではなく「ストア全体」を見ながらデザインできる

Canvasでは、ストアの各ページとデザインシステムを一つのビジュアルワークスペースにまとめて確認できます。デザインシステムとは、色や文字など、サイト全体の見た目に一貫性を持たせるためのルールや仕組みです。ページ単位で編集内容を確認するだけでなく、ストア全体を見渡しながらデザインを調整できる点が特徴です。Shopifyの発表によると、Canvasでは個々の変更がストア全体のデザインや見え方、購買体験にどのように反映されるのかを確認しながら編集できます。配色などの共通設定については、引き続きストア全体に適用されるため、一部を変更しながら全体としての統一感も確認できます。編集した内容をすぐに公開する必要はありません。

Canvas上で変更結果を確認できるほか、ページ全体のプレビューを使えば、公開前に実際の見え方を確かめることができます。さらに、Sidekickによって加えられた変更も含め、編集内容を元に戻したり、やり直したりすることが可能です。たとえば、新しい配色やレイアウトを試したあとに元の状態へ戻したり、別の案に切り替えたりできます。Shopifyは、こうした機能によって、さまざまなアイデアやデザインを試しながらストアを仕上げられると説明しています。Shopify Japanのカントリーマネージャーである馬場道生氏は、事業者が持つ「こうしたい」というアイデアを起点に、AIとの対話を通じてデザインを形にできる環境を提供すると述べています。これまで技術的な知識や開発リソースが必要だった場面でも、事業者自身が自社らしさをストアデザインへ反映しやすくなることが、Canvasで目指している方向性です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Shopifyが発表した「Canvas」は、AIアシスタント「Sidekick」と対話しながら、オンラインストアのデザインを形にできる新しい制作環境です。
Sidekickによるコード生成だけでなく、画面上での直接編集やストア全体の確認、公開前のプレビューにも対応しています。
完成形を最初から細かく決めるのではなく、「こうしたい」というアイデアを起点に試行錯誤できる点も特徴です。
AIとの対話と人による調整を組み合わせながら、事業者自身が思い描くストアを形にしていく。Canvasは、Shopifyにそんな新しい制作方法を加えます。