2026.10.17 | テクノロジー

自治体窓口の対応を生成AIで支援、NTT-ATの新サービス提供開始

NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)は2026年10月15日から、自治体の窓口業務を支援する生成AIソリューション「RelAi 窓口アシスタント」の提供を始めました。会話の文字起こしと、庁内の資料にもとづく根拠付きの回答で、職員の対応を支えます。今回は、RelAi 窓口アシスタントの機能と特長をご紹介します。

会話の文字起こしから根拠付きの回答まで、窓口対応を支える4つの機能

RelAi 窓口アシスタントは、NTT-ATのAIブランド「RelAi(リライ)」の第2弾で、自治体の窓口職員が、住民への案内に必要な知識やノウハウを活用できるよう支援するAIソリューションです。窓口での会話をリアルタイムに文字起こし・要約し、マニュアル・FAQ・条例などの庁内の資料をもとに回答を生成するもので、主に次の4つの機能を備えています。
1つ目は音声認識です。住民と職員の会話をリアルタイムに文字起こしして内容を要約するので、職員が相談内容を一から整理して入力する手間が減り、AIへの質問もしやすくなります。パソコン・スマートフォン・タブレットから利用でき、NTT-ATが開発・製造する高指向性小型マイクロフォン「FR-1200」を使えば、住民と職員の発話を分けて認識し、発話者ごとに区別して表示できます。

さらに、文字起こしした会話のうち、氏名や住所などの個人情報は自動でマスキングして表示され、個人情報が画面に出るリスクを抑えるほか、会話内容の翻訳にも対応しています。
2つ目は、根拠文書付きの回答生成です。住民からの相談に対する回答とあわせて、根拠となった文書を示し、該当箇所をハイライト表示します。職員は関連文書を探して回答を組み立てる手間を減らしながら、生成AIの回答が妥当かどうかを確認できるため、経験や知識の差による対応品質のばらつきを抑えることにもつながります。
3つ目は、応対記録の作成支援です。住民と職員の会話をもとに、応対内容の要約や記録を作成するため、窓口対応後の負担を軽減できます。また、作成した記録は、FAQの拡充や業務ナレッジの蓄積にも使えます。
4つ目は、カスハラアラートです。対応中の職員がスマートフォン上のアラートボタンを押すと、カスタマーハラスメントの可能性が管理者に通知されます。管理者は会話記録から状況や来訪者の要求を把握できるため、職員への聞き取りにかかる時間を短縮できます。

実証実験の知見とセキュリティ対応、自治体窓口で使うための設計

全国の自治体では、手続きの多様化や制度改正により、1つの窓口で扱う業務が増え、複雑になっています。一方で、職員の減少やベテラン職員の退職が進み、限られた人員での対応が続いています。職員一人ひとりの負担増加に加え、経験や知識の差による対応品質のばらつきや、業務ノウハウの継承が課題になっています。
NTT-ATは課題の解決に向けて、葛飾区とともに窓口AI実証実験を実施し、得られた知見をもとにRelAi 窓口アシスタントを商品化しました。職員からのフィードバックや窓口運用の課題を反映し、ユーザーインターフェースや運用方法を改善したうえで、製品化にあたって、多言語対応のニーズを踏まえた翻訳機能と、安全な業務環境を支えるためのカスハラアラートを追加しています。

セキュリティ面では、利用する自治体ごとに専用環境を構築し、入力したデータがAIの学習に利用されない環境で提供されます。また、LGWAN(自治体専用の行政ネットワーク)などの閉域網への接続にも対応しており、自治体のセキュリティ要件に対応した生成AIの利用環境になっています。専用環境での提供や閉域網への対応は、住民の個人情報を扱う窓口で生成AIを使ううえで、自治体が重視する条件に沿った設計といえそうです。
導入にあたっては、検討段階からシステム構築、庁内の資料を生成AIで扱いやすくするためのデータ整備・運用まで、NTT-ATの言語処理・AIの専門家が一貫して支援します。業務課題の整理や活用する業務の選定に加え、マニュアルやFAQを回答精度の向上に適した形に加工・調整します。運用開始後の文書の追加・更新や、回答品質の改善にも対応し、自治体側のナレッジ管理や運用の負荷を軽減するとしています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
RelAi 窓口アシスタントは、窓口での会話の文字起こしから根拠付きの回答、応対記録の作成までを支える自治体向けの生成AIソリューションです。
回答とあわせて根拠文書を示す仕組みは、職員がAIの回答を確かめながら使えるため、正確な案内が求められる窓口業務で取り入れやすい設計と考えられます。