2026.10.20 | テクノロジー

Figma、AIエージェントとデザインや開発を進めるための新機能を発表

Figmaは2026年10月15日、AIエージェントと一緒にデザインや開発を進めるための新機能を発表しました。AIで作ったコードの試作をチームで検討できるcode layersや、エージェントにチームの決定事項を渡せるSpecsなどです。使い慣れたAIツールからFigmaを使えるよう、Figma MCPも更新されました。

AIで作った試作を、キャンバス上でチームと検討できるcode layers

FigmaのCEOであるDylan Field氏は、AIによってコードを書くコストが下がり、まず動くものを作ってアイデアを確かめる進め方が広がっていると述べています。ただし、AIで作った試作は1人で進めることが多く、チームへの共有が、完成した試作へのリンクや動画を送るだけになる場合もあります。結果は見えても、どのように作ったのかという過程は見えず、考えた道筋が伝わらなくなっているといいます。Figmaは顧客の声として、作業がとても速く進んだ後に遅くなる、という状況も紹介しています。
code layersは、試作のコードをFigmaのキャンバスに取り込み、デザインと同じようにチームで検討できるようにする機能です。

コーディングした試作はMCP(AIツールと外部のサービスやデータをつなぐための仕組み)経由で取り込めるほか、GitHubからのインポートやローカルフォルダからのアップロード、FigmaのChrome拡張機能を使った公開中のWebサイトの取り込みにも対応します。既存のデザインを動くコードに変換することもできます。
Figmaによると、ユーザーからは、ターミナルやIDE(統合開発環境)には慣れていないため、視覚的にチームで作業できる環境がほしいという声が寄せられていました。Figmaはユーザーの声を受けて今年code layersを発表し、キャンバス上で再びチームと一緒にデザインしている感覚を取り戻すことを目指しています。code layersを使えば、コードに基づくアイデアをキャンバス上で検討し、考えを先に進められます。10月15日からはオープンベータとしてすべてのプランで順次提供が始まり、今後はより複雑なコードベースにも対応する予定です。

SpecsとデザインシステムでAIエージェントに前提を伝える

AIエージェントと作業するチームが増えるなかで、Markdownファイルはこれまで以上に広く使われています。しかしFigmaは、Markdownファイルにはファイル同士や添付先のプロジェクトとの関係がなく、ファイル内の画像やURL、ほかのファイルへの参照も共同作業者にはわかりにくいという課題を挙げています。
Specsは、チームで共有する前提情報(コンテキスト)をFigma上で扱うための新しい機能です。エージェントを使って外部の情報を取り込み、ラフなアイデアを詳細な仕様書にまとめたうえで、Figma MCPサーバーを通じてコーディングエージェントに渡せます。Specsはキャンバス上のデザインや図、code layersを参照できるため、図やデザインで決めた内容を明文化して共有できます。

Specsは10月15日からWeb、デスクトップ、モバイルでオープンベータとして順次提供が始まり、有料プランすべてで利用可能になる予定です。
デザインシステムも、エージェントに渡せる情報が増えます。Figmaは、エージェントに適切なパターンと原則を与えれば、チームがこれまで積み上げてきた作り込みを土台に制作できるとしています。公開済みのデザインライブラリにガイドラインを追加すると、エージェントが既存のパターンに沿いやすくなります。GitHubやnpm(JavaScriptのパッケージを公開・共有するサービス)からコードソースを取り込めば、エージェントによるコンポーネントやcode layersの作成・編集の質を高められます。ガイドラインはオープンベータ、コードソースはクローズドベータとして始まり、有料プランすべてで利用可能になる予定です。
Figma Makeに加わったオープンソースのPayloadでも、マーケティング担当者がエンジニアに頼らずにWebサイトのコンテンツを管理でき、追加したコンテンツはデザインシステムと結び付いたまま保たれます。Payloadは全プランが対象で、今後数週間かけてすべてのアカウントに順次提供されます。

使い慣れたAIツールからFigmaを使えるFigma MCPの更新

今回の新機能は、いずれもFigmaのエージェントとFigma MCPから利用できるよう設計されています。Figmaのエージェントは一般提供が始まり、デザインキャンバスに組み込まれました。試作からデザインシステムのコンポーネントまで、幅広い作業の中で繰り返し発生するタスクを自動化できます。
Figma MCPも更新されました。Figmaは今回の更新を、コードとデザインにまたがるAIの作業を広げ、エージェントにチームの制作を速めるためのスキルとツールを与えるものと説明しています。10月15日から、普段使っているAIツールからcode layersを生成したり、Specsを扱ったりできます。

ビジュアル素材の作成や、公開済みのWeaveワークフローの実行にも対応し、Figmaは制作の工程のより多くを普段使っているAIツールの中で進められるとしています。さらに、エージェント向けの案内とFigma MCPサーバーの性能を改善したことで、エラーとトークンの使用量が減り、エージェントがFigmaでの作業をより効率的かつ確実にこなせるようになるとしています。
Figmaの外のツールとの連携も広がります。どこで作業を始めてもFigmaとつなげられるよう、Figmaは20の新しいMCPパートナー連携を始めました。たとえばOpenCodeとの連携では、コーディングエージェントにFigmaのデザインシステムの情報を渡すことでより正確なコードを生成し、できた試作はFigmaに戻してレビューできます。一方、小規模事業者に向けた連携として挙げられているのがMeta Museです。Museでは、事業者がFigmaで作ったブランドをMuseに取り込み、追加のビジュアルを生成したり、Weaveワークフローを実行したりできます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Figmaは、AIで作った試作をチームで検討する機能、エージェントに前提を渡す機能、AIツールからFigmaを使う機能をまとめて発表しました。多くはオープンベータや順次提供の段階で、デザインシステムのライブラリを1か所で管理する場所もプレビューとして公開されています。
AIエージェントを業務に取り入れている企業やフリーランスにとって、AIで作った成果物とエージェントに渡す前提を1か所で扱える点は、ツールを選ぶ際の判断材料の1つになると考えられます。