2026.10.21 | テクノロジー

社内文書を参照するAIで業務を自動化、GMOグループ2社が連携を開始

GMOプライム・ストラテジーとGMO AIコネクトは、企業向けRAGソフトウェア「GMO AI RAG」と、iPaaS/AIエージェント基盤「JOINT AI Flow byGMO」の連携を2026年10月19日から提供すると発表しました。社内文書を参照したAIの判断を、ノーコードで作る業務ワークフローに組み込めるようになります。

社内文書を参照して判断・処理するワークフローの仕組み

GMO AI RAGは、社内文書を検索し、その内容をもとにAIが回答を生成するRAG(検索拡張生成)の技術を使った企業向けソフトウェアです。一方のJOINT AI Flow byGMOは、複数のクラウドサービスや業務システムをつなぎ、データ連携や業務の自動化をクラウド上で行うiPaaSに、AIエージェントの機能を組み合わせた基盤です。
両社によると、多くの企業では、ナレッジを扱う仕組みと業務を自動化する仕組みが別々に構築されてきました。GMO AI RAGは社内文書にもとづく回答を返せるものの、回答後の起票や登録、関係者への通知は人の手で行う必要がありました。反対に、JOINT AI Flow byGMOは業務システムをつないで処理を自動化できる一方、社内の情報を参照しないまま生成AIに判断させると、もっともらしい誤った判断につながるおそれがありました。

今回の連携では、GMO AI RAGが社内ナレッジから判断の根拠となる情報を提供し、JOINT AI Flow byGMOが提供された情報をもとに判断と処理を実行します。GMO AI RAGは、Microsoft SharePointやGoogle Drive、Windows共有フォルダなど既存のストレージにあるファイルを同期するイメージで学習し、企業固有のナレッジとして扱います。JOINT AI Flow byGMOは、ワークフローの途中でGMO AI RAGのナレッジを呼び出して使います。

両社は連携の特長として、次の3点を挙げています。
・RAG基盤を個別に開発せず、社内ナレッジを参照するAIワークフローをノーコードで構築できる
・規程やマニュアルを現在の保管場所に置いたまま参照先として使えるため、文書の移行にかかる手間を抑えられる
・規程やマニュアルのファイルを更新すると、次回の取り込み以降、AIワークフローが参照する内容も更新される

情報システム部門はRAG基盤や連携部分の開発負担を、文書を管理する部門は移行の手間を、業務部門は規程の改定のたびに判断基準を見直す負担を、それぞれ軽減できるとしています。

稟議・申請から製造現場まで、想定される活用場面

両社が示す活用例の一つが、稟議や申請のワークフローです。これまでJOINT AI Flow byGMOで構築する場合は、判断基準となる社内規程をワークフロー側に個別に設定する必要があり、規程が改定されるたびに設定も見直さなければなりませんでした。
連携後は、参照先をGMO AI RAGに置くことで、担当者がストレージ上の規程ファイルを普段どおり更新すると、次回の取り込み以降、ワークフローが参照する内容も更新されます。ルールの管理と業務の自動化を切り離して運用できる点が、両社の説明する利点です。
ワークフローによる自動化に加えて、生成AIとの対話を通じた使い方も想定されています。たとえば製造現場では、生産ラインの異常について担当者が生成AIに質問する形で使えます。

GMO AI RAGで参照する対処マニュアルやトラブル事例と、JOINT AI Flow byGMO経由で取得した基幹システムの生産実績データを照らし合わせ、原因を絞り込む手助けをします。
導入面では、GMO AI RAGはオンプレミス環境(自社で管理するサーバー環境)でも稼働するため、機密性の高い情報を社外に出さずに生成AIを活用したい企業にも適しているとしています。JOINT AI Flow byGMOは、接続先ごとのAPI開発を必要とせず、用意されたコネクタを組み合わせて構築できる仕組みです。GMO AIコネクトによると、会計・人事・営業支援など国内外120以上のSaaSと生成AIをつなげられます。
GMO AIコネクト代表取締役社長の加藤史恵氏は、連携によってJOINT AI Flow byGMOのユーザーは社内ナレッジを参照しながらワークフローを構築でき、稟議や申請など、社内規程にもとづく判断を伴う業務まで自動化を広げられるとコメントしています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
GMO AI RAGとJOINT AI Flow byGMOの連携により、社内文書にもとづくAIの回答を、起票や通知などの業務処理までノーコードでつなげられるようになります。両社は今後、対応するユースケースの拡充と、導入企業の課題に応じた共同の提案活動を進めるとしています。
規程を頻繁に改定する企業や、社内ルールに沿った判断を伴う申請業務が多い企業にとって、自動化の対象を広げる選択肢の一つになると考えられます。