NTTドコモ、AIとロボットを結ぶPhysical AI連携基盤を開発
NTTドコモは2026年10月27日、人が日常で使うAI(パーソナルエージェント)とさまざまなロボットをつなぐ「Physical AI連携基盤」を開発したと発表しました。人と同じ空間でロボットが安全かつ快適に動作することを目指し、連携・制御・配慮の3つの技術を備えています。基盤の仕組みと、想定される活用場面を紹介します。
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パーソナルエージェントとロボットをつなぐ連携・制御・配慮の3つの技術
工場や店舗、家庭などさまざまな場面で、AIとロボットを連携させた活用が期待されています。一方で、人の生活空間でAIとロボットを連携させるには3つの課題があると、NTTドコモは説明しています。1つ目は、ロボットごとに接続方法が異なり、個別の開発が必要になることです。2つ目は、利用者や利用場面に応じて、ロボットが行ってよい動作かを判断して止める仕組みがないこと、3つ目は、ロボットの動作が人に心理的な不安や不快感を与えてしまうことです。
Physical AI連携基盤は、これらの課題に対応する3つの技術を1つの基盤にまとめています。Physical AIは、AIの処理能力を、ロボットなどを通じて物理空間での具体的な働きに結びつける技術や概念を指します。
基盤がロボットとつなぐパーソナルエージェントは、利用者に寄り添い、日々の暮らしや選択を身近な立場でサポートするパートナーのようなAIエージェントです。
「連携」では、AIエージェント同士が通信し、協調してタスクを進めるための標準的な通信規約であるA2Aを使い、多様なロボットとパーソナルエージェントをつなぎます。「制御」では、基盤の中核となるA2A Gatewayが、パーソナルエージェントが持つ利用者の年齢などの属性情報と、基盤に登録された利用場面ごとのルールを照合します。ロボットが実行してよい動作かを判定し、許可されていない動作は実行前に止め、許可された指示だけをロボットに送ります。属性情報は基盤内で管理し、ロボットには動作の指示のみを送信する仕組みです。「配慮」では、ロボットの周囲の状況に合わせて、人に不安や不快感を与えない動作を自動で生成して実行します。NTTドコモは、配慮の機能を感情指数を意味するEQと表しています。
飲食店の配膳にみる活用場面と実用化に向けた検証

NTTドコモは、Physical AI連携基盤の導入によって、将来的にはロボットが人や状況に応じて安全で快適な動作を自動で行えるようになると期待を示しています。具体例として挙げているのが飲食店での配膳です。
利用者がパーソナルエージェントを通じて商品を注文すると、Physical AI連携基盤が適切な配膳ロボットを選んで動作させます。その際、未成年の利用者にはお酒を、アレルギーがある利用者にはその食品を配膳しないよう自動で判断します。配膳の途中で人がロボットの前に来た場合は、人を避けて進むことが可能になるとしています。
Physical AI連携基盤では、ロボットとの接続に既存のA2Aを利用したうえで、権限制御、動作履歴の追跡、周囲の状況に応じた振る舞い生成の3つをNTTドコモが独自に開発しています。
動作履歴の追跡では、いつ、どの利用者の指示で、どの動作を実行したかを記録します。これにより、指示の入力からロボットの動作までを一貫して管理し、追跡できるようになります。
NTTドコモは今後、Physical AI連携基盤の社内への展開、ロボットメーカーとの共同研究、さまざまな事業者との実証実験などを視野に入れ、実用性の検証を進めるとしています。
ビジネスの視点では、A2Aという共通の通信規約でロボットとつなぐ方式は、メーカーや機種が異なるロボットを組み合わせて使う場面で、ロボットごとの個別の接続開発を減らす選択肢になると考えられます。また、年齢などの条件にもとづいて動作を実行前に止める権限制御や、動作履歴の追跡は、人の近くでロボットを動かす事業者にとって、安全面の説明や確認に役立つ可能性があります。
まとめ

いかがだったでしょうか?
NTTドコモのPhysical AI連携基盤は、パーソナルエージェントとロボットをA2Aでつなぎ、動作の可否判断と周囲への配慮を1つの基盤で担う仕組みです。今後は社内展開や実証実験などを通じて実用性の検証が進められます。AIとロボットの連携活用が期待されるなかで、ロボットの動作の可否を判断する仕組みへの関心は高まっていくと考えられます。
