2026.11.01 | テクノロジー

脚本から字幕までAIが動画を一貫制作、Gensparkの新機能公開

シリコンバレー発のAIワークスペース「Genspark(ジェンスパーク)」は2026年10月27日、AI動画制作機能「Genspark AI Media Studio」を公開しました。作りたい映像を言葉で伝えると、脚本から絵コンテ、映像、音声、編集、字幕までをAIが一貫して担当し、公開できる作品に仕上げるとしています。

脚本から字幕までの6工程をAIが一貫して担う仕組み

Genspark AI Media Studioは、作りたい動画の内容を文章で説明すると、脚本から完成映像までを一続きで生成するAI動画制作機能です。Genspark株式会社は、専門的なワークフローを身につけたり、編集ソフトの操作に慣れたりする必要はなく、数回のプロンプト(AIへの指示文)で動画を仕上げられるとしています。
制作は6つの工程に分かれ、AIの制作チームが順に担当します。まず脚本の工程で伝えたい内容から構成を組み立て、絵コンテの工程でカット割りを設計します。続いて映像の工程でシーンを生成し、音声の工程でナレーションや音楽、効果音を付けます。最後に編集の工程でテンポと流れを整え、字幕の工程でそのまま公開できる状態に仕上げます。

生成に使うAIモデルは1つではありません。制作プロセス全体をAIモデルが統括し、映像・画像・音声の各領域で強みを持つモデルを、用途に応じて使い分ける仕組みです。組み合わせるモデルとして、Claude、GPT、Geminiに加え、Seedance、Nano Banana、ElevenLabsなどが挙げられています。各領域のモデルを組み合わせることで、どの工程も高い品質で仕上がるとGenspark株式会社は説明しています。
また、動画制作に必要な機能を1つの画面に集約している点も特長です。脚本、キャラクター、セット、絵コンテ、3Dブロックアウト(簡単な立体で被写体や背景の配置を大まかに組む作業)、音声合成(文章を読み上げ音声に変換する技術)、音楽、効果音までがそろっています。さらに、プロ仕様とされるエディタとメディアキャンバスも備えており、最初のカットを生成した後は、各素材を管理しながら並べ替えや修正、仕上げまでを進められます。Genspark AI Media Studioは多くの機能を備えながらも、操作を覚える負担は大きくないとされています。

AI動画のつまずきへの対策とビジネスでの活用場面

Genspark株式会社は、動画が商品やサービスの紹介、社内外への説明やマニュアル、SNSでの発信など、さまざまな場面で必要とされている一方、企画から字幕までの工程を担えるのは専門的な知識やスキルを持つ人に限られていたと説明しています。また、既存のAI動画ツールの多くはプロ向けで使い方が難しいか、短い動画しか生成できず、ビジネスで活用できる品質に届いていなかったとしています。Genspark AI Media Studioは、生成した後の仕上げまでを製品の範囲に含めた点が特徴です。
制作過程には、AI動画で起きやすい3つの問題への対策も用意されています。1つ目は、シーンが変わるたびにキャラクターの顔が変わってしまう問題です。

「Story Bible」という機能で顔や衣装、声、世界観を固定でき、シリーズを通して同じキャラクターで制作できます。2つ目は、作り直すたびにクレジット(利用量に応じて消費される単位)と時間が減っていく問題です。脚本を承認してから生成に進む設計になっており、3Dディレクターステージを使えば生成前に構図まで決められます。3つ目は、生成されるのがクリップだけで、仕上げを自分で行う必要がある問題です。Genspark AI Media Studioは、編集や整音、字幕まで整えた完成作品として出力します。
短編映画や広告、ミュージックビデオ、シリーズものまで、157のジャンルとスタイルをワンクリックで適用できます。こうした仕組みにより、商品紹介や社内マニュアル向けの動画を、外部の制作会社や専任の担当者に頼らずに用意する選択肢が広がると考えられます。動画制作の経験がないフリーランスや個人事業主にとっても、SNSで発信する動画を自分で作る手段の1つになりそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
Genspark株式会社は、AIワークスペース「Genspark」に動画制作機能「Genspark AI Media Studio」を加えました。脚本から字幕までの6工程をAIが担い、生成した映像を編集や字幕まで整えた完成作品として出力する点が特徴です。キャラクターや世界観を固定できる「Story Bible」は、同じキャラクターで発信を続けるSNS運用やシリーズ動画と相性がよく、継続的に動画を発信したい企業や個人にとって、制作の負担を減らす手段の1つになると考えられます。