2026.11.02 | テクノロジー

LINEヤフー、商品を目的別にランキングする「AIベスト提案」提供開始

LINEヤフーが運営する「Yahoo!ショッピング」は2026年10月28日、生成AIで商品を比較する「AIおまかせ比較」を刷新し、「AIベスト提案」の提供を順次開始すると発表しました。「価格」「お届け」「評価」「ベスト」の目的別に、条件に合う商品をランキングで提示します。仕組みと商品選びへの影響を解説します。

条件を指定して4つの目的別ランキングを表示する仕組み

「AIベスト提案」は、「Yahoo!ショッピング」のPC/WEBブラウザー版とアプリ(iOS版、Android版)の商品詳細ページやお気に入りページから利用できます。LINEヤフーによると、利用する端末によっては表示されない場合があります。
使い方の例として、LINEヤフーはヘアアイロンを探す場面を挙げています。「ストレートタイプ」「メーカー名」「コード」など希望する商品の条件を指定し、「この条件で商品を探す」をタップすると、約10秒でAIが条件に合う商品を抽出します。抽出された商品は、価格やお届け予定、商品レビューなどの情報とともにランキング形式で表示されます。画面上部のタブを切り替えると、重視する条件ごとの順位を確認できます。

タブは4種類です。「価格」タブでは、商品価格に加えて、ユーザーが利用できるクーポン、獲得できるポイント、送料までを加味した順位を表示します。計算式は「商品価格-クーポン割引額-獲得ポイント+送料」です。利用できるクーポンや獲得ポイントはユーザーごとに異なるため、表示されるランキングも人によって変わる場合があります。LINEヤフーは、販売価格の安さだけでなく、一人ひとりの利用状況を踏まえた商品選びを支援するとしています。
「お届け」タブでは、お届け予定を基準に、より早く受け取れる商品から順に表示します。「評価」タブでは、商品レビューの評価が高い商品を順に表示し、ストアや購入者からの評価を参考に選びたい場合に使えます。「ベスト」タブでは、「価格」「お届け」「評価」それぞれの順位をもとに総合順位を算出します。
LINEヤフーは「AIベスト提案」の考え方を、電車の乗換案内にたとえています。乗換案内で「最安」「最短」など重視する条件に応じて経路を選ぶように、商品選びでも目的に応じた選択肢を示すことで、直感的に商品を選べる購買体験を目指すとしています。なお、「AIベスト提案」にはOpenAIのAPIが使われています。また、LINEヤフーは生成AIが出力する結果について、信頼性や正確性などを保証していないと明記しています。

「お得」重視の利用傾向を受けた刷新と、通販での比較作業への影響

LINEヤフーは、通販での商品選びの難しさを次のように説明しています。同じ商品でも、販売するストアによって価格や配送条件が異なります。さらに、利用できるクーポン、獲得できるポイント、キャンペーンによって、お得に買えるストアやタイミングも変わります。どの商品を選ぶかだけでなく、いつ、どのストアで買うのがお得かまで、購入時に比べる要素は多岐にわたります。
「Yahoo!ショッピング」は、商品選びの迷いや負担を減らすため、AIを使った機能を拡充してきました。具体的には、ユーザーの利用状況に応じてポイント付与率が高くなる日を案内する「おトクな日を提案する機能」や、選んだ商品に類似する商品をAIがピックアップし、価格やスペック、レビューなどの観点で比べる「AIおまかせ比較」があります。

LINEヤフーがAI機能の利用状況を分析したところ、「Yahoo!ショッピング」利用者の3人に1人が「おトクな日を提案する機能」を利用していました。また、「AIおまかせ比較」でも、「お得」に関する比較軸が全体の31%を占めていました。AIを使った商品選びで、価格やお得さへの関心が高い傾向が見られたといいます。
一方、従来の「AIおまかせ比較」は、「価格が安い」といった具体的な観点に、「おしゃれさ」などの抽象的な観点も加えて複数の商品を比べ、AIが総合的に1商品を提案する仕組みでした。価格を比較項目に含めた場合でも、提案された商品が候補の中で最もお得に買える商品になるとは限りませんでした。「AIベスト提案」では、総合的に1商品を提案するだけでなく、同じ条件を満たす候補を目的別のランキングで示します。
「ベスト」タブについて、LINEヤフーは複数の条件を一つずつ比較する負担を軽減するとしています。ビジネスパーソンや個人事業主が備品などを通販で購入する際も、価格と到着の早さのどちらを優先するかを決めてタブを切り替えれば、クーポンやポイント、送料を反映した金額や到着日を商品ごとに確かめる手間を減らせると考えられます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
「Yahoo!ショッピング」の「AIベスト提案」は、条件に合う商品を目的別のランキングで示し、価格・配送・評価のどれを重視するかに応じた商品選びを支援する機能です。「Yahoo!ショッピング」は、買い物全体をAIで支援する「Yahoo!ショッピング AI化計画」を進めています。LINEヤフーは今後も、AI機能の利用実態やユーザーのニーズをもとに機能を改善していくとしています。通販で商品を比べる際に、何を優先するかを選んでから候補を絞り込む使い方が広がることが期待されます。